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ちゃなのゲームブック

ゲームブック作家「ちゃな」のブログです。Amazonキンドルで「ネイキッドウォリアー」等販売中!

ネイキッドチェイサー制作裏話 その2

ゲームブック ネイキッドシリーズ ネイキッドチェイサー 自著

どうも、ちゃなです。

 

ちゃなのゲームブック第3弾にしてネイキッドシリーズ三部作完結編「ネイキッドチェイサー」。本作の構想時点では、ファジーなアイテム管理をしてみたいなあとぼんやり思い描いていただけでした。

ストーリー部分は、アビスとの戦いであるということ以外はほぼ白紙でした。

 

ネイキッドチェイサー (ちゃなのゲームブック)

ネイキッドチェイサー (ちゃなのゲームブック)

 

 

ただし、シリーズものである以上、いくつか守らねばならないお約束があります。

・主人公が裸の状態で始まること

・ストリップイベントがあること

ひどいお約束ですね。。。

 

裸で始まるパターンはいくつか考えられます。自主的に服を脱ぐ、強制的に脱がされる、そしてもともと裸。前二者は既に使用済みですので、今回はベタですがテレポートの魔法を使うので肉体以外は運べないという設定にしました。

 

ストリップイベントは、主人公が作中で自主的に、あるいは強要されて裸になるという展開です。まあ、ネイキッドシリーズですからね。。。今作では、アルバランに武装解除させられる展開がそれに当たります。

加えて、思いつきで混浴イベントも入れてしまいました。この展開はちゃな的にはだいぶ気に入っています。なので、情報も手に入り、先の展開が有利になるように仕立てています。

 

それと、シリーズ完結作ということで、前2作で出てきたキャラ達はなるべくフル出演させてあげたいと思いました。

とはいっても数えるほどしかいないのですが。サー・デレク、ミザール公、ガンツォ、ジョーエリーゼ、イグニス。

ガンツォはネイキッドウォリアーで主人公に殺される展開とそうでない展開の両方があるので、いずれにせよチェイサーの時点では既に死んでいることにしました。根っからの悪人で、敵も多いですからね。

主人公の幼なじみのロビンだけは、なかなかタイミングが悪くて登場させられませんでした。残念でしたが、まあこの人は冒険者ではありませんしね。

また、サバイバーのラスボスであるデイモスも、公式には行方不明、展開によっては主人公によって殺されています。無理に出場させるのは止めておきました。サバイバーではアスタロスに支配されていて、本来のキャラもはっきりしないわけですし。

 

前2作で主人公はそれなりの活躍を遂げているはずなので、今回は宮廷魔術師サー・デレクじきじきの依頼ということにしました。ミザール公は名前のみの登場です。

サー・デレクによるミッションなのに、仲間が誰もいないというのはおかしな話です。緊急の任務で、表向きは動けないということにしました。それにしても、裏で雇う冒険者が主人公一人ということはないでしょう。そこで、かつての敵であるジョーとイグニスに再登場願うことになりました。

 

こんな感じで、本作は、まず最低限のコンセプトを決め、そのコンセプトに合致するようなストーリーと設定を後付けで考えていくという手法を使って制作しています。

ストーリー部分にはあまり思い入れがないので、ちょっとインパクトが弱くなってしまうのが欠点ですね。その分、展開は論理的で、各シーンにそれなりの必然性を持たせるように配慮しています。

ネイキッドチェイサー制作裏話 その1

ネイキッドチェイサー ゲームブック 自著

どうも、ちゃなです。

 

ネイキッドサバイバーのエンディングであるパラグラフ100に書いた通り、続編を作ることは同作を上梓した時点で決めていました。

でも、その時点で考案していたのは、最終ボスが魔界の悪魔「アビス」であることくらいです。

ネイキッドウォリアーで「アスモデウス」、ネイキッドサバイバーで「アスタロス」ときたので、まあ最初の文字は「ア」で揃えようかな、と。

 

ネイキッドチェイサー (ちゃなのゲームブック)

ネイキッドチェイサー (ちゃなのゲームブック)

 

 

本作のコンセプトは、「ファジーなアイテム管理」です。

ゲームブックというのは基本的に閉じられた世界観で、読者の裁量でルールを緩めることは想定されていません。逆に、解釈にぶれがあるようなルール設定はエラーと見なされます。

第3作ということで、そこをちょっと冒険してみたくなったんです。

 

100パラグラフ制限で書いていると、もう少し色んなアイテムを出したいと思っても、使いどころが限られるので、残念な思いをするんですよね。

そこで、いっそ、読者が思いつく限り色んなアイテムをゲットできるシナリオが作れないかな、と思ったのです。

 

ネイキッドチェイサーでは、例えば武器庫に到達すると、そこにはあらゆる武器が置いてあると記載されています。そこから何を持ち出すかは、読者の自由なんです。イメージ通りにファルシオンでも良いし、バトルアクスとか、両手に短剣とか、鞭だったり、自由に想像して主人公の女戦士に装備させてもらっていいのではないかな、と。

 

また、本作では、アイテムの所持数制限を撤廃しました。持ち出そうと思えば、武蔵坊弁慶みたいに無数の刀剣を背負い込むことも可能です。

もちろん、途中のパラグラフにトラップを配置して、あまり欲張って持ち物を運んでいると文字通り足をすくわれる仕掛けも作っておきました。

 

この、ファジーなアイテム管理、私としては、残念ながら、いささか不完全燃焼でした。

やっぱり100パラグラフでは使いこなせなかったかな、という感じです。

もっとパラグラフ数を増やして、タイムトラベルものにして、トマホーク(投げ斧)からトマホークミサイルまで使いこなせるような設定にしたら、また別の面白さがあったかも知れません。

ネイキッドチェイサー制作裏話 その1

ネイキッドチェイサー ゲームブック 自著

どうも、ちゃなです。

 

ネイキッドサバイバーのエンディングであるパラグラフ100に書いた通り、続編を作ることは同作を上梓した時点で決めていました。

でも、その時点で考案していたのは、最終ボスが魔界の悪魔「アビス」であることくらいです。

ネイキッドウォリアーで「アスモデウス」、ネイキッドサバイバーで「アスタロス」ときたので、まあ最初の文字は「ア」で揃えようかな、と。

 

ネイキッドチェイサー (ちゃなのゲームブック)

ネイキッドチェイサー (ちゃなのゲームブック)

 

 

本作のコンセプトは、「ファジーなアイテム管理」です。

ゲームブックというのは基本的に閉じられた世界観で、読者の裁量でルールを緩めることは想定されていません。逆に、解釈にぶれがあるようなルール設定はエラーと見なされます。

第3作ということで、そこをちょっと冒険してみたくなったんです。

 

100パラグラフ制限で書いていると、もう少し色んなアイテムを出したいと思っても、使いどころが限られるので、残念な思いをするんですよね。

そこで、いっそ、読者が思いつく限り色んなアイテムをゲットできるシナリオが作れないかな、と思ったのです。

 

ネイキッドチェイサーでは、例えば武器庫に到達すると、そこにはあらゆる武器が置いてあると記載されています。そこから何を持ち出すかは、読者の自由なんです。イメージ通りにファルシオンでも良いし、バトルアクスとか、両手に短剣とか、鞭だったり、自由に想像して主人公の女戦士に装備させてもらっていいのではないかな、と。

 

また、本作では、アイテムの所持数制限を撤廃しました。持ち出そうと思えば、武蔵坊弁慶みたいに無数の刀剣を背負い込むことも可能です。

もちろん、途中のパラグラフにトラップを配置して、あまり欲張って持ち物を運んでいると文字通り足をすくわれる仕掛けも作っておきました。

 

この、ファジーなアイテム管理、私としては、残念ながら、いささか不完全燃焼でした。

やっぱり100パラグラフでは使いこなせなかったかな、という感じです。

もっとパラグラフ数を増やして、タイムトラベルものにして、トマホーク(投げ斧)からトマホークミサイルまで使いこなせるような設定にしたら、また別の面白さがあったかも知れません。

単方向と双方向

ゲームブック 技法

どうも、ちゃなです。

今回は、ゲームブックの単方向と双方向について解説します。

 

ゲームブックには、大きく分けて、単方向作品と双方向作品があります。

この用語は、ある程度ゲームブックをやり慣れた人なら誰でも知っていることなのですが、あまり経験のない読者にとってはなじみのない言葉かもしれません。

 

単方向作品とは、物語の進行が一方通行で、進んだら同じパラグラフに戻って来られない構成のゲームブックを指します。

例えば、こんな感じです。

 

1 道が分かれている。右に進むなら2へ。左に進むなら3へ。

2 道は行き止まっている。残念だ。END

3 道は先に続いている。進み続けるなら4へ。

4 ゴールに着いた。おめでとう!

 

一方、双方向作品とは、同じパラグラフに行ったり来たりすることのできるゲームブックを指します。

例えば、こんな感じですね。

 

1 道が分かれている。右に進むなら2へ。左に進むなら3へ。

2 道は行き止まっている。戻るなら1へ。

3 道は先に続いている。進み続けるなら4へ。戻るなら1へ。

4 ゴールに着いた。おめでとう!

 

単方向作品と双方向作品では、ゲームブックとしての性質がかなり異なります。

 

1 単方向は時間を管理、双方向は空間を管理

迷宮やオープンフィールドなどを自由に動き回れる双方向作品は、言わばゲームブック内で空間を管理しているといえます。

 

「モンスター変貌」は迷宮内を行ったり来たりしながらアイテムを集め、強いモンスターを召喚しながら先に進む双方向作品です。

モンスター変貌

モンスター変貌

 

 

一方、双方向作品では、同じパラグラフを何度も使い回すことになるので、時間の管理が得意ではありません。進んだら戻ってこられない単方向作品の方が、時間の管理に向いています。

 

2 双方向の方がプレイ時間が長い

総パラグラフ数や文章の長さにもよりますが、一般的に双方向作品の方がプレイ時間が長めになります。これは、単方向作品は読み進めればいずれエンディングにたどり着くのに対し、双方向作品ではパラグラフ間を行ったり来たりしながらエンディングへの道のりを探さねばならないからです。

 

双方向の傑作とされる「魔界の滅亡」は、三部作のラストということもあり、非常に手強い作りをしています。主人公は20回に及ぶ塔の中をさまよい歩いて、目的地にたどり着かねばなりません。

魔界の滅亡 ドルアーガの塔 (幻想迷宮ゲームブック)

魔界の滅亡 ドルアーガの塔 (幻想迷宮ゲームブック)

 

 

3 単方向は結果重視、双方向は過程重視

前項で述べた通り、単方向作品は読み進めていれば誰でもいずれかのエンディングに到着します。したがって、単方向作品では複数のエンディング(そのほとんどはバッドエンド)を用意して、最良のエンディングへの選択肢を見つけ出すことを読者に求めることがほとんどです。言わば作者と読者の知恵比べのような構図になります。初プレイで真のエンディングにたどり着いたなら、誰でも快哉を叫ぶのではないでしょうか。

 

拙作「ネイキッドウォリアー」でも、初プレイで真のエンディングに到達するのはなかなか大変ですよ。

ネイキッドウォリアー (ちゃなのゲームブック)

ネイキッドウォリアー (ちゃなのゲームブック)

 

 

一方、双方向では同じところをぐるぐる歩き回っていつまで経っても物語が進まないということがしばしばあります。読者にとって大事なのは、この物語を進めていくという過程です。その終着点にはもちろんエンディングがあるのですが、エンディングにたどり着いたという結果そのものにはあまり意味がありません。パラグラフの海を泳ぐ過程にこそ面白さがあるのです。例えるならば、低難度のコンピュータRPGに似ているかもしれません。主人公を鍛え上げて強敵に挑み、クエストをクリアしていく過程が楽しいのであって、チートしてエンディングだけ見てしまっては興ざめです。

 

ネバーランドのリンゴ」は1000パラグラフに及ぶ大作です。体感的にはドラクエ一本クリアするのと同じくらいのボリュームがあります。

ネバーランドのリンゴ (創元推理文庫―スーパーアドベンチャーゲーム)

ネバーランドのリンゴ (創元推理文庫―スーパーアドベンチャーゲーム)

 

 

このように考えると、単方向はどちらかというと結果重視、双方向は過程重視といえるのではないでしょうか。

 

4 単方向の方が制作が容易

作者の立場からすると、単方向作品の方が双方向よりも制作はずっと簡単です。双方向作品では、主人公が何度も同じパラグラフに戻ってくるので、各パラグラフに矛盾が出ないように気をつけねばなりません。フラグ管理をしっかりしないと、倒したはずの敵が復活したり、助けたはずの少女がまた捕らえられていたり、夜になったはずなのに朝だったりという問題が起こりうるのです。

このような矛盾を防ぐためには、キーナンバーやチェックリストを用いたフラグ管理を、読者に負担させる必要が出てきます。

 

拙作、「ネイキッドサバイバー」は100パラグラフ双方向の小品ですが、フラグワードという一つの単語ですべてのフラグを管理しています。

ネイキッドサバイバー (ちゃなのゲームブック)

ネイキッドサバイバー (ちゃなのゲームブック)

 

 

単方向でも、分岐の先で合流したパラグラフなどでは矛盾が生じないよう気をつけねばなりませんが、双方向に比べると管理は遙かに簡単です。

 

5 単方向の方がポピュラー

前項の理由からか、これまで刊行されたゲームブック作品の多くは単方向です。

世界で最も有名なゲームブック作家であるスティーブ・ジャクソン(英)氏とイアン・リビングストン氏は、私の知る限りでは、単方向作品しか執筆していません。

それもあって、英国では60作程度、日本でも30作以上刊行された「ファイティングファンタジー」シリーズの中で、双方向といえるのはわずかに数作品です。

海外の作家で双方向作品を主に書いているのは、スティーブ・ジャクソン(米)氏とJ・H・ブレナン氏ですね。

暗黒城の魔術師 (グレイルクエスト)

暗黒城の魔術師 (グレイルクエスト)

 

 

双方向作品は、フラグ管理が複雑でプレイ時間が長く、パラグラフ数も多くなりがちなことから、どちらかというとマニア向けと認識されているように思います。

 

日本では鈴木直人氏、林友彦氏、古川尚美氏といった第一人者がいずれも双方向作品を手がけているため、双方向の人気が高いように思います。

パンタクル1 メスロンサーガ (幻想迷宮ゲームブック)

パンタクル1 メスロンサーガ (幻想迷宮ゲームブック)

 

 

近年では、単方向作品ながら2周めのプレイが可能となっていたり、一見単方向に見えて実は時間のループなどのギミックにより双方向的な構成をしている、凝ったゲームブックも見受けられます。

見捨てられた財宝

見捨てられた財宝

 

 

また、単方向作品ではあるものの、途中に迷宮など行ったり戻ったりしながら道を探す双方向的なギミックを取り入れた作品も、しばしばあります。 

展覧会の絵 (幻想迷宮ゲームブック)

展覧会の絵 (幻想迷宮ゲームブック)

 

 

単方向と双方向、あなたはどちらがお好みでしょうか?私はそれぞれの作風に合わせて、どちらも制作を続けていきたいと思っています。

ネイキッドサバイバー制作裏話 その3

ゲームブック ネイキッドサバイバー 自著 技法 ネイキッドシリーズ

どうも、ちゃなです。

ネイキッドサバイバー制作の舞台裏、その3です。

 

ネイキッドサバイバー (ちゃなのゲームブック)

ネイキッドサバイバー (ちゃなのゲームブック)

 

 

今作は前作ネイキッドウォリアーと異なり、マルチエンディングではありません。パラグラフ100に一つだけエンディングがあります。

しかも、バッドエンドのパラグラフもありません。

あくまでも、パラグラフ100にたどり着く過程を楽しむのがコンセプトのゲームブックになっています。

 

こういう構成は、双方向のゲームブックになじみます。単方向の作品だと、どの選択肢を選んでも必ず同じエンディングにたどり着くというのでは、緊張感がありません。いくら過程を楽しむとは言っても、どうしてもだらけてしまうでしょう。

その点、双方向の作品は、結果よりも過程を楽しむのがメインなので、バッドエンドがなくてもあまり間延びしません。全滅してもコンティニューが可能なコンピュータRPGのような感じですね。

 

ただし、本作はマルチエンディングではないとはいえ、パラグラフ100にたどり着く道筋は複数あります。具体的に言うと、黒幕と決着をつける方法がいくつも用意されているのです。

その中でも、復讐に失敗して捕らえられたところを憲兵に助けてもらうといった、実質バッドエンドみたいな幕切れから、黒幕を暗殺する、捕らえる、憲兵に協力して逮捕してもらうといった、様々な解決策が用意されています。

 

そして唯一、なぜ黒幕が今回のような悪事を働くようになったのかの真相が垣間見えるプロットが隠されています。

これこそネイキッドサバイバーの真のエンディングとも言えるものなのですが、このルートに入るには、一見ただの失敗にしか見えない道筋を通らなければならないようになっています。

プレイしていただいた方はお気づきかと思いますが、パラグラフ構成的には、かの「ソーサリー!」のZEDの呪文の処理に近い格好になっています。

まだ見つけていない方は、是非試してみてください。

 

裏話というよりはなんだか種明かしのような話になってしまいましたね。

 

ネイキッドサバイバーが完成する頃には、シリーズ第3作を制作する気持ちが固まりつつありました。そこで今回のエンディングには、次回作への引きを入れておきました。

また、シリーズ通してプレイしていただいた方へのサービスとして、サー・デレクをカメオ出演させ、次回作「ネイキッドチェイサー」の伏線をちょっとだけしゃべってもらいました。

 

ネイキッドチェイサー (ちゃなのゲームブック)

ネイキッドチェイサー (ちゃなのゲームブック)

 

 

ちなみに、今作のタイトルは当初「ネイキッドウォリアー2」とする予定でした。

ただ、それだと前作を未プレイの方が手に取りづらいかと思い、ネイキッドサバイバーに変更しました。

失敗したのは、このタイトル名であらかじめグーグル検索をしておかなかったことです。後で調べたところ、同名のビデオ作品がありました。

「ネイキッドリベンジャー」とどちらにするか迷ったんですよね。語呂が悪いので没にしたのですが、こちらの方が良かったでしょうか?

ネイキッドサバイバー制作裏話 その2

ゲームブック ネイキッドシリーズ ネイキッドサバイバー 技法 自著

どうも、ちゃなです。

ネイキッドサバイバー制作裏話、前回の続きです。

 

ネイキッドサバイバーは、100パラグラフの双方向作品です。

前作が単方向だったので、今度は双方向にしようというのは、最初から決めていました。

 

ネイキッドサバイバー (ちゃなのゲームブック)

ネイキッドサバイバー (ちゃなのゲームブック)

 

 

双方向作品の場合、同じパラグラフを使い回すため、以前会った人物と初対面のような対応をしてしまうといった矛盾を生まないために、フラグ管理が必要になります。

通常は、キーナンバー表やチェックシートなどを使うのですが、ネイキッドシリーズではサイコロも筆記用具も使わずにプレイできる手軽さがコンセプトですので、読者にあまり複雑な処理はさせたくありません。

ネイキッドウォリアーにおいても、アイテム3つくらいなら憶えておいてもらえるのではないかと考えたのですが、今作では「フラグワードシステム」を試してみることにしました。

これは、一つの単語にすべてのフラグ情報を埋め込んでおくというものです。

 

実際にプレイしてみればわかりますが、ネイキッドサバイバーでは、「装備している武器」「装備している鎧・服」「物語の進捗」の3種類の情報を管理しています。

そのそれぞれが、フラグワードの1文字目、2文字目、そして文字数に対応しているのです。

 

フラグワードシステムは、ドラゴンクエストの「復活の呪文」を単純化したような仕組みをしています。

しかし、本システムの肝は、このフラグを埋め込んだキーワードが、それ自体一つの意味のある単語になっているという点です。

例えば、「かとにら」という単語を憶えておくのは大変ですが、「しおかぜ」なら元々意味のある言葉なので、憶えておきやすいはずです。

ちなみに「しおかぜ」なら、本編では「メイス装備」「裸」「エリーゼ救出済み」という状況を意味します。

 

作ってみて感じたことは、フラグワードに埋め込める情報量は思ったより少ないという点でした。

五十音を自在に使えば、例えば4文字のフラグワードに16ビットの情報を埋め込むこともできるのですが、それだと冗長性が低すぎて意味のある単語にならなくなります。

「あ」から始まる言葉はたくさんありますが、「ぬ」から始まる言葉は数えるほどしか思いつきません。

フラグワードが増えすぎると、読者がいちいち現在のフラグワードを確認する作業が面倒になります。

まだまだ、工夫の余地がありそうです。

ネイキッドサバイバー制作裏話 その1

ゲームブック ネイキッドシリーズ ネイキッドサバイバー 自著

どうも、ちゃなです。

 

ネイキッドウォリアーを上梓したその日から、次回作を制作することは決めていました。

ただし、その時点でシリーズ化を考えていたわけではありません。

もともとネイキッドウォリアーは単発の作品として構想していたもので、続編を想定した伏線などは張っていませんでした。

 

ネイキッドウォリアー (ちゃなのゲームブック)

ネイキッドウォリアー (ちゃなのゲームブック)

 

 

でも、作品が完成してみると、この舞台とテイストでもう一つか二つ、ミニゲームブックを作ってみても良いかな、と思うようになりました。

主人公の女戦士はまだまだ暴れたそうでしたし、サー・デレクやミザール公の顔もなんとなく思い浮かぶようになっていました。

俗に言う、キャラが独り歩きするというやつです。

 

それでも本当は、ネイキッドウォリアーのあと書きで書いた通り、「骨太な作品」を次回作として作ろうとしていたのです。以前TRPGのシナリオとして制作したもののゲームブック化で、きちんと作り込むと1000パラグラフくらいになりそうな、かなりのボリュームでした。

 

そこで、当初は同時並行で制作を開始したのですが、案の定、100パラグラフのネイキッドサバイバーの方が快調に進んでしまったというわけです。

 

ネイキッドサバイバー (ちゃなのゲームブック)

ネイキッドサバイバー (ちゃなのゲームブック)

 

 

処女作を刊行したばかりの私としては、読者に忘れられないうちに次回作を出しておきたいという気持ちもあり、一ヶ月を目標に制作を続けました。

結局、目標を少し過ぎてしまったものの、無事にネイキッドサバイバーの刊行にこぎ着けることができました。