どうも、ちゃなです。
ネイキッドサバイバー制作裏話、前回の続きです。
ネイキッドサバイバーは、100パラグラフの双方向作品です。
前作が単方向だったので、今度は双方向にしようというのは、最初から決めていました。
双方向作品の場合、同じパラグラフを使い回すため、以前会った人物と初対面のような対応をしてしまうといった矛盾を生まないために、フラグ管理が必要になります。
通常は、キーナンバー表やチェックシートなどを使うのですが、ネイキッドシリーズではサイコロも筆記用具も使わずにプレイできる手軽さがコンセプトですので、読者にあまり複雑な処理はさせたくありません。
ネイキッドウォリアーにおいても、アイテム3つくらいなら憶えておいてもらえるのではないかと考えたのですが、今作では「フラグワードシステム」を試してみることにしました。
これは、一つの単語にすべてのフラグ情報を埋め込んでおくというものです。
実際にプレイしてみればわかりますが、ネイキッドサバイバーでは、「装備している武器」「装備している鎧・服」「物語の進捗」の3種類の情報を管理しています。
そのそれぞれが、フラグワードの1文字目、2文字目、そして文字数に対応しているのです。
フラグワードシステムは、ドラゴンクエストの「復活の呪文」を単純化したような仕組みをしています。
しかし、本システムの肝は、このフラグを埋め込んだキーワードが、それ自体一つの意味のある単語になっているという点です。
例えば、「かとにら」という単語を憶えておくのは大変ですが、「しおかぜ」なら元々意味のある言葉なので、憶えておきやすいはずです。
ちなみに「しおかぜ」なら、本編では「メイス装備」「裸」「エリーゼ救出済み」という状況を意味します。
作ってみて感じたことは、フラグワードに埋め込める情報量は思ったより少ないという点でした。
五十音を自在に使えば、例えば4文字のフラグワードに16ビットの情報を埋め込むこともできるのですが、それだと冗長性が低すぎて意味のある単語にならなくなります。
「あ」から始まる言葉はたくさんありますが、「ぬ」から始まる言葉は数えるほどしか思いつきません。
フラグワードが増えすぎると、読者がいちいち現在のフラグワードを確認する作業が面倒になります。
まだまだ、工夫の余地がありそうです。