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ちゃなのゲームブック

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吸血鬼の洞窟 チャート解析

どうも、ちゃなです。

 

フローチャートを用いて古典ゲームブックを解説するシリーズ第5回。今回はデイヴ・モーリス氏の「吸血鬼の洞窟」です。

吸血鬼の洞窟 (創元社推理文庫)

吸血鬼の洞窟 (創元社推理文庫)

 

 

本作は290パラグラフ単方向。主人公は吸血鬼テネブロン卿を倒すために単身敵の館に乗り込むことになります。

パラメータは体力、精神力、敏捷性をダイスで決めるだけのオーソドックスなシステムです。戦闘時にはサイコロを2つ振って、敵の攻撃力より大きい目なら敵の体力を3減らし、小さければ主人公が傷を負うというシンプルなものです。精神力や敏捷性は成功判定に用い、冒険中に値が変化することはあまりありません。

 

特徴的なのは、冒険中に見つけたお宝のいくつかに値段がついていることです。単にエンディングに到達するだけでなく、どれだけ金貨を稼いだかを誇ることができます。

とはいえ、アイテムの数はあまり多くありません。

 

さて、フローチャートはこちらです。

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基本的に一本道ですね。

デッドエンドはそれなりに多いのですが、必須アイテムがなくて詰むという展開はあまりありません。真の道を通ろうとすると、銀の燭台、金の腕輪、銅の鍵、銀の鍵という連鎖が発生しますが、なくても横から抜けることが可能です。最重要アイテムは十字架と鉄の意志の薬で、これらは貴重な味方であるハルカス神父が必ず進呈してくれます。

 

さて、順に見ていきましょう。

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最初の選択で門をよじ登ろうとするといきなり確率で即死します。

 

その後は敵地で寝ようとしたりしなければスムーズに進み、パラグラフ215でハルカス神父からランタンと十字架又は薬をもらえます。この神父、十字架と薬のもう一方は後から来る者のために取っておきたいと言うのですが、すなおに主人公に二つとも渡してくれればいいのに……。

なお、十字架と鉄の意志の薬のどちらをもらうかですが、十字架の方が汎用性が広くてお勧めです。ただし、十字架は終盤でも手に入ります。

 

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丁寧に進んでいけば、銀の燭台、メビウスリング、大理石の骨が手に入ります。

十字架がないと体力を削られたり、場合によってはデッドエンドになったりします。

 

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パラグラフ75、騎士の遺体から入手できる「青の剣」は、実は吸血鬼にとどめを刺せる唯一の武器です。またこの剣は決して壊れませんので、持っていって損はありません。

パラグラフ229の厨房では様々な食材が手に入りますが、最優先すべきは当然、ニンニクです。チーズは意外な使い方をします。

パラグラフ70で黒のクイーンに勝つと、体力が全快する上に、能力値を強化できる貴重なチェスピースをもらえます。

 

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ルートが複雑に分岐しています。

 

パラグラフ58では強敵ワイトが出現します。ニンニクで立ち向かおうとすると即死するので注意。銀の燭台があれば戦うことができ、倒すと金の腕輪が手に入ります。この腕輪は銅の鍵を入手するためのカギになっています。なお、ここでメビウスリングを使うと、一気に終盤までワープします。

 

パラグラフ38で骸骨の音楽に魅了されそうになったら、チーズを耳に詰めましょう。間違っても食べてはいけません。ここで金のフルートが手に入ります。

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銅の鍵を入手していれば、パラグラフ200で魔女の部屋に入って銀の鍵を手に入れるチャンスがあります。途中のポーションで能力値を全快させることができますが、毒薬も混じっています。

 

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銀の鍵があれば、パラグラフ101の宝石部屋には入れます。ここでは炎を防ぐトパーズが手に入ります。なお、サファイアを取ると、なんとスタート地点にザップされます。

 

パラグラフ182のコウモリの群れにニンニクは効きません。金のフルートを使うか、黙って耐えてください。

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いよいよ終盤です。

 

パラグラフ263の部屋ではコブラの彫像が手に入ります。一種のトラップアイテムですが、120金貨という高値で売れます。

神父から鉄の意志の薬をもらっていたのであれば、パラグラフ90で巨大蜘蛛を倒して十字架を入手しておきましょう。

そのすぐ後、パラグラフ50ではヘルハウンドとの戦闘があります。トパーズがなければ火炎の息に気をつけねばなりません。

 

パラグラフ283でいよいよ吸血鬼テネブロン卿との対決です。いきなり襲いかかったりせず、まず卿の催眠術を防ぐために十字架か鉄の意志の薬を使ってください。その後の最終決戦では、ニンニクが役に立ちます。とはいえ、青の剣がなければ卿に直接とどめを刺すことはできません。逃げてしまってもOKです。

 

こんな感じです。

古典的なダンジョン冒険もので、吸血鬼との対決という雰囲気は良く出ています。ただ、ゲーム性に関しては、種々のアイテムの存在感がいまいち薄かったり、主人公の選択によってあまり展開に変化がなかったりと、ちょっと地味な印象を受けます。

 

デイヴ・モーリス氏は、同系統の作品をいくつか上梓した後、TRPG色とタクティカルコンバットを全面に押し出した「ブラッドソード」五部作で一世を風靡しました。この作品は最終巻が未訳という可哀想な目に遭っていますので、いずれご紹介できればいいなと思います。

 

なお、本稿は原著に基づいて執筆しました。そのため、邦訳とは一部訳語が異なっているかもしれませんことをお詫びしておきます。