ちゃなのゲームブック

ゲームブック作家「ちゃな」のブログです。Amazonキンドルで「デレクの選んだ魔法」等販売中!

「デレクの選んだ魔法」制作裏話 その1 着想

どうも、ちゃなです。

新作ゲームブック「デレクの選んだ魔法」お楽しみいただけていますでしょうか?

ネイキッドシリーズに比べて6倍以上のボリューム、お値段も5倍近くなってしまいましたが、是非お手に取っていただければこの上ない幸せです。

デレクの選んだ魔法 (ちゃなのゲームブック)

デレクの選んだ魔法 (ちゃなのゲームブック)

 

 

本作は、「ネイキッドウォリアー」と同じ世界観で、20年前の時代を描いた作品です。主人公はネイキッドシリーズ皆勤賞のサー・デレク……と言いたいところですが、実は作中で「デレク」と「サー・デレク」が同一人物だとはどこにも示されておりません。作品に明示されていないところは基本的に読者の想像にお任せなのがちゃなのポリシーです。(例えば、ネイキッドシリーズの主人公「名もなき女戦士」が全作同一人物かどうかも、読者の解釈次第です)是非脳内補完してお楽しみください。

ネイキッドウォリアー (ちゃなのゲームブック)

ネイキッドウォリアー (ちゃなのゲームブック)

 

 

前作「ネイキッドチェイサー」では、あとがきにも書いた通り、シリーズ最終作とすることを決めていました。「主人公であるうら若き女戦士が素っ裸にされているシーンから始まる」というお約束を合理的に満たすシチュエーションは、実は他にもいくつか考えていたのです。でも、さすがにマンネリが過ぎるだろうと思ったのと、微エロ路線から少し離れて純粋なファンタジーゲームブックとしてがっつりした作品を作ってみたいと考えたのです。

ネイキッドチェイサー (ちゃなのゲームブック)

ネイキッドチェイサー (ちゃなのゲームブック)

 

 

次回作のテーマを「魔法」にするということは、当初から決めていました。3作品続けて戦士が主人公なので、次は当然魔術師でしょう!それに、私にとって、やっぱり魔法というのは特別な響きがあります。「バルサスの要塞」は最近でもリプレイしたほどの思い出の作品ですし、いつかは「ソーサリー!」を超える作品を作ってみたいという思いもありました。

 

しかし、一から世界観を作るのはやっぱり大変です。それに、ネイキッドシリーズでおぼろげながらオーランド王国の風土や地形、歴史も私の中で浮かんできたところで、この世界とお別れするのもちょっと寂しいな、という思いもありました。

そこで、世界観は同一で、ストーリー的なつながりは極力避けて、新作を作ってみようと考えたのです。当初のコードネームは「ネイキッドウォリアー外伝」でした。

 

ネイキッドシリーズで名前のある魔術師はサー・デレク一人しかいなかったので、このキャラをもう一度使ってみるのはどうだろうというアイデアがすぐに浮かびました。でも、宮廷魔術師のおじいさんでは読者がついてこられません。そこで、ありがちですが、デレクの少年時代を描いてみたら面白いんじゃないか、それにプロットを考える上でもシリーズとのつながりを想像したりして楽しめるのでは、と考えたわけです。

 

実際に作ってみると、過去を描くというのはとてもやりやすい作業でした。歴史が既に決まっているので、どんなエピソードを組み込んでも軸がぶれないんですよね。「スター・ウォーズ」シリーズはもちろん、「X-MEN:ファーストジェネレーション」とか、「猿の惑星:新世紀」とか、過去を描く作品がはやる理由がよくわかりました。

 

もっとも、本作はゲームブックなので、必ずしもすべてのエピソードがネイキッドシリーズの歴史につながるわけではありません。デレクが死んでしまうエンディングはもちろん、読者の選択によっては、オーランド王国の歴史がまったく違ったものになる可能性もあるでしょう。

 

次回に続きます。