どうも、ライゼことちゃなです。
波刀風賢治さんの大作ファンタジーゲームブック「護国記」。これまで古手梨花ちゃんばりにループを繰り返し、そこそこ幸せな結末も迎えましたが、なんのその。まだまだお話は序盤のようです。
その後も何十回と死を迎えつつ、ライゼとともにちゃなの方もこの惨劇の裏が少しずつ読めてきました。少なくとも、三英雄をこの城に呼び寄せた裏切者の正体は、ほぼ特定できています。
(ここから先、ネタバレバレですからね!)
多くの単方向型ゲームブックは、リプレイを前提としています。つまり一発ではクリアできないよう難易度を調整してあるのです。
そのため、「前回はこのボタンを押したら死んだから、今回はスルーしよう」と読者は考えたりするわけですが、物語内の主人公はそんなこと知らないわけで、第三者視点では主人公がスーパー第六感を駆使して進んでいく感じになります。
つまり、プレイを繰り返せば繰り返すほど、読者と主人公の経験に乖離が生じることになり、ときにはプレイが作業的になったり、主人公との一体感を阻害してしまったりすることもあります。
本作は、このゲームブックならではのジレンマを、ループものというギミックを用いることで解消しています。ライゼは物語内でちゃなと一緒に何度も死にながら学んでいくわけです。
実に巧みな仕掛けですよね。
さて、ほとんどのルートは行き尽くしてしまい、ちょっと手詰まり感を感じていた何十回めかのトライでしたが、主人公はやはりクラインを頼ります。事件の真相を知るために協力を仰ぐと、何人か相談相手を紹介してもらえます。
その中に、「毒草師」という、見慣れない職業がありました。
さっそく訪ねに行ってみましょう。
王宮付の毒草師は、意外にも重要な情報を教えてくれました。王妃がお忍びで誰かと面会するというのです。この王妃、ヴィルファン王女の実の母ではありません。前世の記憶を思い起こす限りでは王女との仲もあまりよろしくない様子。単純に考えると悪役ですよねー。どうもきな臭い。
他にも毒草師は重要なキーワード「預現者」について話してくれます。
クラインとともに上階の「防風壁室」へと向かいます。なるほどここは内緒話にはうってつけの場所ですね。扉を開けると、果たしてそこには王妃と近衛兵長の姿がありました。
主人公は前世で、近衛兵長が王城の建築資料を盗んで調べていたという証拠を掴んでいます。あの時は部屋を捜索するだけで時間切れでしたが、今回は裏切りの現場を押さえました!
近衛兵長、いきなり王城のバリアを破壊してしまいました。裏切りの証拠がないと居直られたらどうしようかと思いましたが、馬脚を露わしてくれてラッキーです。
ここで三択です。攻撃するか、挑発するか、言葉で戦うか。当然、力では敵わないでしょう。これから起きることを言い当てて、相手の動揺を誘うことにします。もちろん、王妃も隊長と結託しているに違いありません。
……とそこに、なぜか入ってきたヴィルファン。ええっ?
王女は確か中庭の方に向かっていたはずですが……もしかして王妃から何か指示されていたのかな?それで様子がおかしいと思って……?
混乱しつつも、王女の安全が最優先。隊長は捨て置いて王と合流します。
ここから先は早いです。次のページではもうみんなで史の国に亡命しています。まあ、何度も繰り返した逃亡劇ですから、委細を語るのは野暮ってものでしょう。
というわけで、主人公と王女は史の国の離宮を与えられ、仲睦まじく暮らしましたとさ。
でもやっぱり、王様はどこかに消えてしまいます……。
ああ、残念ながら、この程度の結末に満足する主人公ではないのです。
なんだかバッドエンドレポートみたくなってしまいましたが、基本リアルタイムで執筆していますので、ご容赦ください。
いや、もしかしたら、このバッドエンドを踏んだことで、どこかのフラグが立ったかも、ね?
次回に続きます。