ちゃなのゲームブック

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護国記リプレイ その12

ライゼことちゃなです。波刀風賢治さんの大作ゲームブック「護国記」も遂に第3章に入りました。

護国記 (幻想迷宮ゲームブック)

護国記 (幻想迷宮ゲームブック)

 

しかし、前回はびっくりしましたね。ようやく王を救うことができたと思ったら、まさかその王が魔神復活を目論んでいたなんて……!

そう言えば、ずっと前に、「黒幕は王か近衛隊長だ」みたいなモノローグがありましたね。王のわけないから近衛隊長だと信じて、実際隊長はクロだったわけですが、王もまた別の意味で黒幕だったとは!

それと、何度か迎えた亡命エンドではいずれも国王は姿を消していました。ちょっと気になりますよね。亡国の責任を取って身を隠したのではなく、何か別の思惑があったのかもしれません。それか誰かに消されたのかも。。

 

そして、最も気になるのは「護国記」そのものです。このタイトルは本来、生き延びた王女ヴィルファンが後に主人公の活躍を讃えて執筆した手記に基づいている(と、ちゃなは解釈しています)のですが……その「護国記」に王女は父親の大罪をも記すことになるのでしょうか?そもそも、魔神復活を阻止するために王を弑してなお「護国」と言い張ることができるのか。。。

なかなか絶望的な状況ですが、あるいはさらなるどんでん返しが待っているのかもしれません。読み進めるとしましょう。

 

ここから先はさらに展開が加速します。主人公は今度は邪大剣を手に入れて王に直接挑みます……が、返り討ち。それもそのはず、王は主人公も使った無数の護符で身を守っているのですから。

 

ちなみに何周も繰り返すタイムリープものでは、西澤保彦さんの小説「七回死んだ男」が秀逸です。氏はSF的な設定を絡めた本格推理小説が持ち味で、本作の主人公は何度も死んでしまう祖父の運命を変えるべく奔走します。

新装版 七回死んだ男 (講談社文庫)

新装版 七回死んだ男 (講談社文庫)

 

 突然なぜこんな話をするかというと、タイムリープを繰り返す主人公の「考え方」というのが、このギミックを取り入れる上で鍵になってくるからです。「七回死んだ男」の主人公は体質的にタイムリープを繰り返していて、高校生なのに老人並みの経験を積んでいます。その結果、達観して事なかれ主義になってしまっているんですね。何度もやり直せるのって、決して楽しいことじゃないですからねー。

 

一方、輪廻を繰り返すうちに「護国記」の主人公ライゼにも変化が現れます。一人称が「俺」になり、語調が荒っぽくなり、そして自ら「無味乾燥」と称するほど心が渇いていきます。

これは、崇拝していた国王の裏切りに打ちのめされたこともあるのでしょうが、何度も惨劇を繰り返して生の感覚が麻痺しつつあるのかもしれません。記憶と経験を引き継いでいるということは、死の瞬間に味わった痛みや怨嗟も忘れられないということです。生け捕りになるのを防ぐため自決したことだって一度や二度じゃなかったでしょう。本当、私だったらこんな人生、到底耐えられませんよ。。。

 

さて、国王を相手取って戦うにはもっと強力な味方が必要です。いるじゃないですか、強力な味方が目の前に……!

というわけで、ライゼは王城急襲直前の三英雄のもとに向かい、共闘を申し出ます。

本来なら相手にもされないのでしょうけど、主人公の持つ重大な情報と、携えた邪大剣モラルサカが、その決意の重さを雄弁に語ってくれました。

 

道中、防風壁室に立ち寄って王妃と近衛隊長を追っ払い、王と対峙する三銃士、じゃなかった三英雄。

ここから先は、まさに三銃士対ロシュフォールのような白熱のバトルが繰り広げられます。

とは言え、本作は特別な戦闘システムを搭載してはいないので、いつも通り選択肢を選んでいくだけですけどね。ヒントは随所に隠されていますので、是非一発クリアを目指してみるといいでしょう。ちゃなは10回ほど死にました(笑)。幸い、ここはボス戦直前からコンティニュー可能な親切仕様になっています。

 

そして、魔王が倒れたその先に、復活間近となった魔神がその異様な体躯を表わします。

いよいよクライマックス、と言いたいところですが……うーん、まだひと波乱もふた波乱もありそうですねえ。。。

次回に続きます。