ちゃなのゲームブック

ゲームブック作家「ちゃな」のブログです。Amazonキンドルで「デレクの選んだ魔法」等販売中!

護国記リプレイ その22

長編ゲームブック「護国記」もいよいよ終盤……に差し掛かりつつあるのでしょうか?

本編はパラグラフ番号がないため、全体の長さがまったく見当つかないのが長所でもあり短所でもありますね。

(実は巻末の「特異点」を見ると、章立てが書いてあるので予測が立つのですが、ちゃなは敢えて目を背けています)

護国記 (幻想迷宮ゲームブック)

護国記 (幻想迷宮ゲームブック)

 

 

さて、ツヴェルクの信頼を得てミスリルチェインを譲り受けた主人公は、「綺麗すぎて」害をなしているという水龍を退治するため、地下坑道の奥深くへと進んでいきます。苔むした岩塩坑の終わりから水に飛び込むと、ほどなく巨大な影が目の前に迫ってきました。ここで言ノ葉チェック。

 

やはり、こいつが水龍ハイドラグーンのようです。大きいです。最近とみに好戦的になってきたライゼ君、水龍を魔龍レヴィアトの劣化版と誹り、魔神との模擬戦とばかりに襲い掛かります。

しかしここで切り込むのは愚の骨頂。なんせ水の抵抗がありますからね。剣を振り回すのは愚策。ここは敵の力を逆用して串刺しだ!

 

……と思ったら水龍は大きな口を開けて吸い込みに来ました。何とか耐え忍びます。息が苦しい!しかしここは我慢……!

 

……水龍の体当たりで一巻の終わりかと思われたその時、思わぬ援軍が入ります。なんと、調停戦士ブラクストンが助太刀してくれました!

 

水龍を倒した主人公は、あらためてこの時間軸のブラクストンにすべてを打ち明けます。大災厄を防ぐために共に戦いたいと。しかし、前の歴史での自分たち三英雄の全滅を聞かされた調停戦士、さすがにいい顔はしません。

ここは距離を縮める目的も兼ねて、ちょっと坑道を寄り道していきましょうか。

 

ところがブラクストンが派手に転んだ拍子に床が崩れ、二人は地の底へ。驚いたことに、坑道の最下層の更に下には、巨大な竜の神殿がありました。

ここで言ノ葉チェック、なのですが、「毒原を」に続くパラグラフはたった2行。主人公はあっさり帰途につきます。どうやらこの神殿は、別のルートで経験したイベントに関連する施設のようです。

 

さてここでメタ思考なのですが、私はこれまで「言ノ葉」というフラグを1つしかゲットしていません。言ノ葉3「毒原を」ですね。そして選択肢に出てくる言ノ葉はいつも(毎回ちゃんと数えたわけではありませんが)6種類。

こういう構造は、ちょっと珍しいですね。

言ノ葉3は、王城を出て最初にどこに向かったかを示しているのではないかと予想しています。してみると、最初の道の選択が後々まで展開に影響していることになります。

他方、毒沼に入ってからここまでは、なんとなく一本道な展開に思えるんですよね。その後の分岐では新たな言ノ葉が全く出てきません。

もしかして、最初のルート選択によって6通りの途中経過があるものの、結末は一緒なのではないかなあ……?

最初のルート選択でバッドエンドが確定しているとしたら、ちょっと意地悪すぎる気がしますしね。

 

あと考えられるのは、6種類のルートがあるわけではなく、こなしたイベントの組み合わせによって言ノ葉が変化するというギミック。

例えば、ヒドラと水龍を倒したら「言ノ葉3を「草原を」に変更せよ」なんて指示が出てきたり、とか。

 

拙著「デレクの選んだ魔法」では、単一のフラグワードを次々に上書きさせることでフラグ管理を一元化しています。その数は実に640種類!

デレクの選んだ魔法 (ちゃなのゲームブック)

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そうだとすると、各地を回る順序が大事になってきますよね。

こっちの方が、本編の展開にマッチしているような気もします。

 

そもそも「言ノ葉1」と「2」はどこ行ったんだ、って話ですよねー。

まあ、「言ノ葉10」まで出てきたら覚えきれませんから、せいぜい3~4つくらいかな、と思いますけど。。。

 

ゲームブックでは、一冊ごとにシステムを一から構築できるうえ、単純なギミックなら事前説明が要らないので、出てきたギミックがどのような役割を果たしているのかが見えづらいという特徴があります。そうしたシステムの裏を読み解くのも、ゲームブックならではの楽しみ方かな、と私は思っています。