ちゃなのゲームブック

ゲームブック作家「ちゃな」のブログです。Amazonキンドルで「デレクの選んだ魔法」等販売中!

「サイボーグを倒せ」チャート解析 その4

どうも、ちゃなです。

 

フローチャートを解析してゲームブックを丸裸にしてしまうシリーズ第10回、スティーブ・ジャクソン先生の「サイボーグを倒せ」。今回で最終回です。エンディングまで攻略しますのでネタバレご免ください。

f:id:chanagame:20190510195521j:plain

 「電撃」が得意な主人公であれば、虐殺鬼と戦って、恐怖結社の会議が始まる時刻についての情報を得ておきましょう。「思念力」は虐殺鬼には効きません。ちなみにこいつは技術点が12もあるので、「超技術」でも勝利は覚束ないところですし、たとえ勝てても後で詰むことになります。

 

では「超技術」の使い手はどうしたら良いかというと、難敵「大頭脳」との戦いが待っています。こいつは主人公と同じく遺伝子操作で生まれた怪物で、強力なテレパシー能力を持っています。「思念力」で戦いを挑もうものなら、主人公と違ってたっぷり休養を取っているという理由で制圧されてしまいます!また、「電撃」や「超体力」で挑んでもバッドエンド。「超技術」しか大頭脳を倒せる道はないのです。テレパシーは電撃や物理攻撃を圧倒するけれど、ジャマーに弱い。なかなかよくできた展開ですね。。。

 

そして最後のイベント、大統領暗殺事件です。あらかじめ犯人の狙撃場所を知っていなければ食い止めることはできません。またここでポイントなのは、犯人に電撃を浴びせてはいけないということ。被害が拡大してしまいます。

なおこの事件、作中で最悪の事件の割には、ゲームクリアにはまったく関係ありません。

 

そしてなんとここで初めてすべてのルートが一つに収束します。

f:id:chanagame:20190510200417j:plain

最後は、恐怖結社の会議に乗り込んで敵の首領ウラジミール・ユトシュスキーを打ち倒さねばなりません。しかし、主人公はいつどこで会議が行われるかを知っているでしょうか?主人公の超能力によって、会議の行われる場所も時間も異なります。ジェット機の中だったり、場末のクリーニング店だったりと様々です。展開によって今日の日付も変わってしまうのが面白いですね。。。

 

首尾良く会議場に乗り込んでも、敵はチタニウム・サイボーグ。技術点18、体力点20という、バルサス・ダイアも真っ青な豪腕を誇る上に、ダイス目をズルしても結局ひねり潰されてしまいます。

それを防ぐために必要なのが、「回路妨害器」。これ、もうちょっとかっこいい名前はなかったんでしょうか……?原文ではCircuit Jammerで、まあ直訳なんですけどね。。

 

弱体化したボスを見事打ち倒すことができれば、英雄点10点をもらってエンディングです。

ちなみにこの最終決戦をし損じると、ペンタゴン保有する衛星「スター・ウォーズ」を乗っ取られてタイタンシティは灰燼に帰すことになります。アメリカ、ヤバすぎです。。。

 

はい、お疲れ様でした。

細切れにしてしまうとわかりづらいですが、ゲームクリアのためにはいくつかの手がかりと「回路妨害器」を入手することが必須となっている本作は、行き当たりばったりでプレイしてもまずクリアできません。見た目に反して不自由な作りになっているのは賛否が分かれそうですね。ファイティングファンタジー初のスーパーヒーローものということで、もっとおおらかな構成にしても良かったのではないかと当時は感じたものです。でもまあ、ジャクソン氏は、ただ並み居る敵を倒して終わりではなく、攻略しがいのある作品に仕上げたかったのでしょうね。

 

その後、ヒーローもののゲームブックもちらほら見かけるようになりました。

魔人竜生誕 (幻想迷宮ゲームブック)

魔人竜生誕 (幻想迷宮ゲームブック)

 

 

あと、個人的には「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」なんかは、すごくゲームブック向きの作品だと思います。衝撃のエンディングに至るまでには数多の選択があり、どこで誰が違う道を選んでも、未来は大きく変わっていたでしょう。。 

 

お付き合いいただきありがとうございました!