こんにちわ、ちゃなです。
ゲームブックはインタラクティブノベルとか分岐小説とか呼ばれます。その分岐の根幹をなしているのがパラグラフ。一つのストーリーをパラグラフで区切って細切れにして、分岐やループ、行き止まりを入れることによって、小説はゲームブックとして生まれ変わるわけです。
ゲームブックの先駆者の先生方は、このパラグラフをいかに扱うかに心を砕いてきました。ストレートにパラグラフ数を増やして大作を作る先生もいれば、少ないパラグラフを使い回して読み応えのある作品を作る先生もいました。パラグラフジャンプという手法を用いて、読者の挑戦欲を掻き立てたり物語の奥行きを増したりする作家も生まれました。
そのパラグラフですが、近年ではあえてパラグラフ、ないしパラグラフ番号を廃した作品も出てきています。
記憶に新しいところでは、波刀風賢治先生の「護国記」。パラグラフ番号が存在せず、各段落の末尾で選択肢を直接選ぶことでどんどん物語が展開していきます。
おいしいたにし先生の「寄生木の夜」では、基本的には主人公視点の時系列で読み進めていき、条件を満たしたターゲットのページにジャンプすることができます。
"Meanwhile"はなんと絵本!漫画のように読み進め、ページ終わりのタグを選んで開くとストーリーが分岐します。
Meanwhile: Pick Any Path. 3,856 Story Possibilities. (Top Ten Great Graphic Novels for Teens)
- 作者:Shiga, Jason
- 発売日: 2010/03/01
- メディア: ハードカバー
私はゲームブック制作ツールとしてThe Gamebook Authoring Toolを用いていることもあり、パラグラフ管理型のゲームブックしか作ったことがありません。
でも、ゲームブックの可能性を模索するためには、そろそろ別の形態にチャレンジしてみるべきかなあ、とも思います。
一つ考えているのは、インタラプト型ノベル。
通常のゲームブックではパラグラフを最後まで読み終えてから末尾の選択肢を選ぶのですが、読んでいる途中で次のパラグラフに飛んでしまうという形式です。
上に紹介した「寄生木の夜」はそういう作りになっていますね。
コンピュータゲームでは、TRICK×LOGICを思い出します。ほかにもテキストアドベンチャーにはいっぱいありそうですね。
キンドルの電子書籍では、任意の文字列にページ内リンクを貼れるので、気になった単語をクリックすると別のシーンに飛ぶという形態の作品はすぐ作れそうです。
ただ、「すぐ」とはいっても、このリンクをひとつひとつ貼る作業は非常に面倒です。手作業では必ず間違いが起こりますから、ここは使い勝手のいいソフトが欲しいところです。
もう一つの問題は、「パラグラフの途中で読むのをやめる」という行動を読者が取るかどうか。私だったら、最後まで読み進めてから戻って選んじゃいそうだなあ。。
ただ読み進めることに歯止めをかけるための仕掛けが何かあった方がいいかも。例えば、あっという間にバッドエンドになるとか、インタラプトしないと主人公がどんどんつらい状況に追い込まれていくとか……(我ながら悪趣味ですね)
「逆転裁判」みたいに、早めに「待った!」をかけないと負けてしまう筋書きが、いかにもインタラプト型って感じでいいかもしれませんね。
拙著「ファントムドミネーション」の続編になじみそうなシステムではありますね。
少し、温めてみます。