ちゃなのゲームブック

ゲームブック作家「ちゃな」のブログです。Amazonキンドルで「デレクの選んだ魔法」等販売中!

ゲームブックの制作実況(20)

ちゃなです。

ゲームブックの制作実況も本日で20日目。明日でお約束の2週間を5割オーバー!

やばい、気合いを入れないと。。

しかし、パラグラフは結構余ってるんですよね。分岐を増やすほどではないので、主人公ごとのイベントを一つ二つ増やしましょうか。

 

宝部屋は、ターナーにとっては目的地、盗賊技を使えない主人公にとってはデッドエンドですが、マリーとイシスで進む場合、また別の意味を持ちます。ここで宝に見向きもしないイシスの信仰心に、マリーは心を動かされるのです。

これがフラグとなり、マリーのエンディングへと続くわけですが、一旦分岐を収束させてしまうと、フラグ管理のためパラグラフジャンプが必要になります。

本作では主人公以外にフラグ管理はしないと銘打っているので、あんまりバシバシジャンプが出てくるのは望ましくありません。

ただ、パラグラフを開いてしまうと、読者としては発見した感覚がなくてただ読み進める感じになってしまうんですよね。護国記みたいにもともとパラグラフを開いた作風なら良いのですが。

……あ、パラグラフを閉じる、開く、というのは、フローチャートの上で一旦別々に別れたルートが後で合流するか開きっぱなしかを示す、ちゃな用語です。

 

【パラグラフを閉じる例】

1 右に進むなら2へ 左なら3へ

2 剣を手に入れた。剣を使うなら2つ先のパラグラフへ進むこと。今は4へ

3 何も手に入らない。4へ

4 敵が現れた。5へ

5 負けた。BAD END

6 剣で敵を倒した。HAPPY END

 

【パラグラフを開く例】

1 右に進むなら2へ 左なら3へ

2 剣を手に入れた。6へ

3 何も手に入らない。4へ

4 敵が現れた。5へ

5 負けた。BAD END

6 敵が現れた。剣を持ってるぜ!7へ

7 剣で敵を倒した。HAPPY END

 

こんな感じですね。

パラグラフを開く利点は、余計なフラグ管理を読者にさせないで済むこと、同じシーンでもそれまでの展開によって描写を微調整できることです。

欠点は、パラグラフ数がいたずらに増えること。複数のパラグラフで同じシーンが出てくるので、推敲の際に矛盾ができるリスクが増えることですね。

パラグラフを閉じる方が、分岐がわかりやすいので、ゲーム的には見通しが良くなるのは、前述の通りです。

 

余談が過ぎました。

基本的に短編ではパラグラフを開いている余裕はありません。あっという間に制限を超えてしまいます。本作でパラグラフを開こうと考えるくらいなら、本来はもっとイベント密度を上げるべきなのかもしれません。

 

宝に見向きもせず自説を語るイシスを見て、マリーは自分の意志で彼女を助ける道があることを悟ります。「あなたは今、その選択肢をはっきりと意識していた」という表現は、もちろんゲームブックの選択肢と掛けているわけです。そして読者にこの選択肢を「意識」してもらうため、あえてパラグラフジャンプの指示を提示します。パラグラフジャンプって、普通に選択肢を選ぶのに比べて、「ジャンプのタイミングを見逃さずに見つける」「飛び先を計算する」「(電子書籍では)リンクをワンクリックではなく、ページをめくる手間を掛けて飛び先を探す」といった作業を読者に課してるんですよ。ですから乱用は慎むべきであると同時に、ここぞというときに使うと、読者に「今運命を動かしている」という実感を持ってもらう効果があるのかな、と思っています。

 

うん、ここに来てようやく興が乗ってきました。それぞれの主人公が走り出して、イメージが鮮明になってきた感じです。

イシスのフラグが立っていないと、闇の道でイシスがパニックになってゲームオーバー。

イシスは暗闇が苦手というのは、プロローグ部分でちょこっと入れておきましょうかね。まあ、恐怖症レベルだと、なんで地下迷宮探索に来たんだよって話になってしまうので、ほどほどにですけど。

このゲームオーバー、「デレクの選んだ魔法」でも、ちょっと気になる相手と一緒に最期を迎えるというパターンは、バッドエンドながらもいくらかの慰めがあって、ちゃな的にはツボです。

ちゃな自身はご免ですけどね。自分としては、大事な人の最期をちゃんと看取ってから、最期は独りで逝く方がいいな。。。

デレクの選んだ魔法 (ちゃなのゲームブック)

デレクの選んだ魔法 (ちゃなのゲームブック)

 

マリーの励ましで闇のトラウマを克服したイシスは呪文で闇を払います。そこで思わず地声を出したうえ抱き合ってしまい、正体がばれるマリー。観念して全てを話した彼女をイシスは受け入れます。

あとはマリーエンドに一直線。なのだけど、マリウスは本物のマリーを殺してますからね。このエンディングでは自己犠牲で終わってもらおうかなー?

 

遂に最深部近くまで清書が進んできましたが。さて。

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Flowchart13

余計な分岐を削ったら、いつの間にかチャートが分離していた。。

あと一つ二つ、いや三つイベントがあります。結構多いなー。ちゃなはダンジョンのイベントを作るのが苦手です。どうも現実的に考えてしまって、突拍子もないキャラとか仕掛けが発想できないんですよね。。

あと、最深部に単独で辿り着くルートはそれなりにあるのだけど、全部バッドエンドにしてしまって良いものか。ここでエンディングを迎えるのはイシスだけの予定なんですよね。また、真エンドは全員生存ルートですから、道中でイシスとマリーを殺してる可能性のある単独ルートは当然使えない。

やれやれ、もう一踏ん張り必要なようですね。