どうも、ちゃなです。
ゲームブック作家を始めて5年以上が経ち、ここ2年ほどマーダーミステリーのプレイや制作にはまっておりました。
そんなちゃなが久々にゲームブックの新作をリリースします。
タイトルは「因縁の失楽園」。
chanagame.booth.pm
今回はキンドルでの販売ではなく、マーダーミステリーの販売でお世話になっているオンラインストア「Booth」での公開となります。
お値段は……なんと無料!
本作は、1999年12月に起きる「最後の審判」をモチーフとしたオカルト色の強いストーリーとなっています。
一応、作中で殺人事件が起き、その犯人はプレイキャラの中にいる可能性があるので、マーダーミステリーといえなくもない……?
しかしそちらが主眼ではありません。プレイキャラはより大きな陰謀に巻き込まれていきます。
最大の特長は、ひとりでも4人でも遊べること。
4人プレイの場合は、各人がひとりずつキャラクターを受け持ち、タイミングを合わせて読み進め、時に合流して話し合いながら物語を進めていきます。ゲームブック本体は4人とも同一ですが、特定のキャラでしか発生しないイベントもあります。
ソロプレイの場合は、担当するキャラクターがPC1「スカーレット恭司」に限定されています。それじゃあ遭遇できないイベントがたくさんあるって?フフフ。。
ちゃなのゲームブックの例に漏れず、本作でもダイスは不要です。筆記用具も基本的には使いません。
パラメータやフラグの管理は、TRPGやマダミスでおなじみのインターネットサービス「ココフォリア」で行います。
ココフォリア盤面は全プレイヤーで共有できます。指示に従って調査カードやフラグカードを順次オープンしていきます。また、作中の時間経過に合わせて画面上部のタイムマーカーを動かしていきます。クリスマスを迎えると……
気になるパラグラフ数は800!ゲームブックの金字塔、スティーブ・ジャクソン先生の「諸王の冠」と同じ大ボリュームです。もっとも文章量はそこまで多くはありません。とはいえイラスト込みで400ページありますが。。
ちなみに、ゲームブックは文学作品でもあるので、本来はもう少しテキストをリッチにしたいところなのですが……ちゃなの持久力や表現力の限界もあり、また4人で同時に進める都合上あまり読解速度に差が出るとプレイアビリティが下がることも懸念して、かなりテキスト量を絞り込んでいます。
ゲームブックとしての作りは割とオーソドックスですが、パラグラフジャンプ絡みの処理に、ちょっとした冒険を加えています。わかる人にはわかるかも。。
また、本作には明白な原典がいくつか存在します。
まずは、ジョン・ミルトンの「失楽園」。
本作は「失楽園」にインスパイアされて制作したTRPGのシナリオを大幅に拡張し、ゲームブックに再編集したものなのです。
そのTRPGセッションで用いたシステムは、勝木康明・藤浪智之両先生の「ナイトメア・ハンター」をベースとしたオリジナルルールです。
そして、ストーリーはコンピュータゲーム「女神転生」シリーズの影響を大いに受けています。
登場する天使や悪魔たちの造形に当たっては、塩田信之先生の「悪魔大事典(真・女神転生2)」を大いに参考にさせていただきました。
本作には総勢20名以上のキャラクターが登場します。
キャラの立ち絵はいつものePic Character Generatorをフル活用しました。もうこれ以上バリエーションは作れないってくらいに使い込んでいます。
本編ゲームブックにはそんな彼らの勇姿を描いたCGイラストが数十点収録されています。
小ネタとしては、各キャラの特性はすべてタロットカードの大アルカナをモチーフにしています。パラグラフ番号にも秘密が……
原案を着想してTRPGセッションを行ったのは前世紀ですから、リリースまで20年以上かかっているといえなくもない。
ネタが古い!と思われたら、多分そのせいでしょう。
実は本作は某アナログゲームのコンテストに応募するつもりで制作を始めたのです。
しかし〆切に全然間に合わず、たとえ完成したとしてもオリジナリティやらなんやらで入賞は狙えそうにない……と自分の中で見切りをつけた作品を有料で売るのもどうかなあ、そういえばBoothで無料作品一つも出してないし、これでいいか。ということで本作は無料です。有料化の予定もありません。
無料だからといって手を抜いたつもりはありません。
お楽しみいただければ幸いです。
作者GMリクエストも受けつけておりますのでお気軽にお声がけください。