誌上リプレイも早9回目。道はまだ半ばといったところです。
Death maidenが殺すよう指示した相手は、魔法の小部屋に住む少女でした。もちろんそんな約束守る義理はありません。この子の話をもう少し聞いてみましょう。
「なぜDeath maidenはあなたを殺したいの?」
「違うわ。私は死なないもの。Death maidenが殺したいのはあなた。だから私に殺させようとしているの。彼女独特のユーモアでね」
これにはぎょっとします。
「……あなたは私を殺したりしないわよね」
「私は誰も殺す気はないわ……この部屋では」
そう言って少女は手元の落書きに目を落としました。
この思わせぶりな態度……やはり見た目通りの存在ではないようです。
「ところで、あなたは私から何か取っていきたいんじゃないの?」
……どうしてそんなことを?
「私がそう思ったから」
……答えになってない。なんか読み違えてるかなー?
「それじゃ、取引しましょう。私が欲しいのは情報よ」
ちゃなよりも英語力の高いDerilion、謎の少女に商談を持ちかけました。確かに、この子はいろいろと知ってそうですね。まあ、Derilionが知りたいのはObishaaの行方だけなんですけどね。。
しかし、困ったことに取引材料がない。選択肢として出てきたのは、黄金の手錠、2枚の羊皮紙、ガラスの顎、その他……。ガラスの顎ってなんやねん!(glass jawはそのまんま打たれ弱い細顎の意だそうです。)
……ん?羊皮紙(parchment)かどうかはわからないけど、確か以前、埋まってた2枚の巻物を発掘しましたよね。
じゃあ、これで。。。
巻物を見せると……scrollsと書いてあるので間違いないようです。少女は目の色を変えました。
「私、それほしい!」
「待って、それなら情報と他に何か頂戴」
「治療の軟膏でどうかしら」
「乗った!」
勝手に交渉成立しました。軟膏はDerilionが最初から持ってるのと同じもののようです。
治療の軟膏 Healthを4回復 重さ1
「あとは情報ね」
そこで少女の語った驚くべき話とは……。
「ここは私のような子供のための牢獄なの。つまり、ウィッチやウォーロックとなる者のためのね。ポッジョーリ教団はこの洞窟を開拓して私たちの魔力を集結するのに利用しているのよ」
おお、ようやく、邪教団らしい展開になってきましたよ!
「そうだったの……。でも、あなたは魔女なんでしょ?自力で脱出できないの?」
「無理。奴らは私たちの魔力を吸い上げて、その力で私たちを監禁しているの」
「あなた、ここに閉じ込められてるんでしょ?なんでそんなことがわかるのよ」
Derilion、なかなか突っ込みが厳しい。
「冒険者たちから聞いたのよ。でも彼らも、洞窟の財宝の噂を聞いてここに舞い込んだだけ。教団は私たちの力を試し、鍛えるために、冒険者を誘い込んでるのよ」
うーん……ここにきて割と定番な設定ですね。ていうか、私はこの洞窟に宝が眠ってるという噂、聞いてないんですけど。
いずれにしてもそろそろ本題に入らなければ。
「教団は私の仲間を誘拐していったの。居場所に心当たりはない?」
「一番奥の部屋よ。教団は誘拐した子供を最初にそこに連れ込んで、力を奪うの。ポッジョーリはその部屋の青いプールの奥の玉座に座ってる。でもそこにたどり着くためには、強大な魔力が必要よ」
「強大な魔力?」
「これを持っていって」
少女はくすんだ鉄のアミュレットを取り出しました。
「これを使うには3つの付与をかけなければならない。Speed、Stealth、そしてAccuracyの力を込めるの。私が1つだけやってあげる。残り2つはあなたが自分で協力者を探すことね。簡単じゃないと思うけど」
ほうほう。能力値と一致していますね。Detectionだけ出てきませんけど。
「わかったわ。付与を得るために何か見返りが必要かしら」
「なんでも、おそらくはすべて。あなたがここにいる以上、負うべきものよ」
……うーん、覚悟しろってことでしょうか。代償として能力値が下がったりするのかしら。
少女はアミュレットをDerilionの首にかけて、座るよう促します。そして目を閉じて何かの呪文を唱えました。
Derilionは振り返ることなく部屋を後にします。ここでどの能力値を選んだか決めることになります。能力値が上がるか下がるかわからないので、中庸のAccuracyにしておきましょうか。
くすんだ鉄のアミュレット Accuracyの付与 重さ?
重さ書いてないなー。
いやー、不思議な少女でしたねー。私の脳内イメージは、映画X-MEN2に出てきた、プロフェッサーXを操ってしまう幻の少女。あるいは空の軌跡シリーズの殲滅天使レン。あそこまでこまっしゃくれてはいませんけど。。
次回に続きます。