護国記リプレイ その19
「護国記」リプレイはまだまだ続きます。
地下水路を探るのはどうやら危険が大きそうです。良い防具を見つけてからまた来るとして、今度は寺院に入ってみましょう。
主人公は装飾をしげしげと見つめてみます。この寺院のご神体はどうやらツヴェルク十三氏族を象徴している様子。
……と、ここで言ノ葉チェックなのですが、「毒原を」がありませんね。バグでしょうか?それともパラグラフリンクを踏み間違えた?
アップデートで対応されるかもしれないので、装飾はちょっと置いておいて、らせん階段を下ってみます。
すると、地中には地上とは比べ物にならないほど大きな空間が広がっていました。どうやらここは代表者だけではなく集団での会合が行われる場所のようです。
会議室は警備されていては入れないようなので、さらに階段を下へ。いよいよ地下坑道都市に辿り着きます。
案内人の説明では、毒の沼が広がってしまったために今や多くのツヴェルク達が地下に身を潜めているのだとか。もともとツヴェルクのルーツが捨てられた子らだったことを考えると、同情を禁じ得ません。複雑な思いに駆られながら、ライゼは地下都市ルイゲシュタットへと降りていきます。
いきなり大通りで、東西南北に道が伸び、たくさんの建物が並んでいます。選択肢も本書始まって以来の10本!
どうやらツヴェルク都市は双方向っぽいつくりになっているので、気を抜くと目的を見失ってしまいそうになります。ここは情景を思い描きながら慎重に進んでいきましょう。
取りあえず立ち呑み屋を覗いてみたところ、近くでお祭りをやっている様子。
参加してみたはいいのですが、主人公は作法を知りません。ファイアドラゴン踊りとか、いったい何なのでしょう?もしかしたら、途中まで読んでいたツヴァルカンの本に書いてあったのかもしれませんね。こういう、物語の奥に文化を感じさせるところが、本書の魅力の一つでもあります。
ちょっとずるをして(選択肢総当たり)、ツヴェルク達の喝采を勝ち取り、ローストリザードをいただきました。そこで彼らが口々に言うには、今年の祭器は高密度ヴェルケンミスリル製の鎧だとか。これは、前世で見た、毒を喰らう竜に対抗できる装備っぽいですね。
ちなみにミスリルというのは指輪物語のトールキン先生が考案した架空の金属で、銀の光沢と鋼以上の硬度を持つとされています。かの地ではドワーフがミスリルを採掘するためにモリア坑に深入りしすぎて悪魔バルログを目覚めさせてしまったという逸話があります。
強力であるがゆえに破滅をもたらす金属。このモチーフはコンピュータRPGの雄「イース」でも「クレリア」と名を変えて用いられていますよね。
拙作「ネイキッド」シリーズでも、ミスリル製のチェインメイルは、軽くて動きやすいうえに魔法に耐性のある最強の鎧として扱われています。見つけたら装備しておけば間違いありません。
これはなんとしても手に入れたいですね。ツヴァルク達は意外に懐が深いようで、手柄を立てればよそ者でも受け入れてくれるようです。しし狩りについていってコンペで優勝すれば、祭器をもらえるのでしょうか?
次回に続きます。
護国記リプレイ その18
「護国記」の主人公ライゼは東へと旅を続け、散の国に入ります。
そこで話しかけてきたのは、なんとこの国に住まうダンデライオンの綿毛、つまり国王のスパイでした。
そのツヴェルクは、「坑道を左、左」と意味深な言葉をかけてくれました。
坑道を左、左というと、思い出すのは「ソーサリー!」ですねー。第1巻のラストダンジョンを安全に抜けるための唯一のルートです。単なる偶然、それともリスペクトかな?
シャムタンティの丘を越えて (Adventure game novel―ソーサリー)
- 作者: スティーブ・ジャクソン,浅羽莢子
- 出版社/メーカー: 創土社
- 発売日: 2003/07/01
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 58回
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さて、舟は川の中州のようになった「三日月平地」へと進んでいきます。そこに見えるは大堰堤内唯一の建造物、氏族たちが一堂に会する「調停寺院」でした。
ちょっと寄り道して寺院の裏手に進んでみましょう。どうやらここから川の方へ降りられるようです。
ここでも言ノ葉チェックがありました。
ちょっと息が苦しいですが、急いで川の底を泳ぎ探ってみます。
何とそこには水中神殿がありました。空気溜まりで息継ぎをして、もう少し調べてみます。
余談ですが、この「息継ぎをしないと窒息してしまう」という切迫感を奇想天外なギミックで表現したゲームブック作品と言えば、「紅蓮の騎士」ですね。
余談+宣伝ですが、この作品の最後には「6つの星」問題というリドルがあって、これは拙著「デレクの選んだ魔法」の最終問題「法則の間」を着想するヒントにさせていただきました。
やはり最後にびしっと謎があると、ゲームとして引き締まりますよね。そしてゲームブックのいいところは、万一謎が解けなくても全編通読すれば強引に進むことができることです。
話を戻します。
地下神殿の岩壁には赤い目をした彫像が並んでいました。中でも一番巨大なのは魔龍レヴィアトのようです。おそらくモチーフになったのはリバイアサンでしょう。ファイナルファンタジーで有名になった幻獣ですが、その源流は旧約聖書で、哲学者のホッブスの著作名としても知られていますね。
ここで言ノ葉チェック。ツヴァルカンの著書には「毒を喰らう竜」の項目がありました。この本、めちゃくちゃ役に立ちます。でも写本ですから、もしかしてものすごくかさばるのでは。。。
毒を飲み込む水龍というのはハイドラグーンと言って、魔龍レヴィアトとは似て非なるもののようです。最下層の水中にいて、防具なしで遭遇すればアウトだとか。
ここは深追いを避けることにして、ライゼはいったん上に向かいます。
しかし、どうもこの界隈は双方向になっていて、もう一度潜ることができる様子。ならば今度はちょっと川底を散歩してみようかしら……
と思ったのが運の尽き。川蜉蝣なる、アリジゴクみたいな魔獣に捕まり、ライゼはあっさりあの世……もとい、調停寺院の入り口までZAPされましたとさ。うーん、油断大敵。
護国記リプレイ その17
どうも、ちゃなです。
波刀風賢治さんの大作ゲームブック「護国記」リプレイ、ちょっと立て込んでて一休みしていましたが、今日から再開します!
中原に広がる毒沼を浄化すべく、毒草師ツヴァルカン謹製の教科書片手に突き進む主人公。行けども行けども沼は尽きず、夜を迎えました。やむなくキャンプを張り、寝る前に読書に勤しむことにします。ここでは何項目かを選んで読むことができるのですが、ちゃなは敢えて本編に関係なさそうな詰めシャトレンジェの項目を開いてみます。
ところがこれ、チェスのプロブレムのようなものかと思いきや、ヒドラの倒し方が書いてあるではありませんか。どうやらこの世界のシャトレンジェは現実の戦闘の鏡写しになっている様子。
そして四日目の昼。いよいよ行く手が怪しくなった頃合いで、なんと主人公はヒドラそのものに遭遇します。九つの首を持ち毒霧を吐く強敵ですが、ここは教科書通りの動きで見事撃退しました。
ツヴァルカンは、ついでに毒蛇を倒してほしいと言っていました。このヒドラのことだったのでしょうか。心なしか毒沼の密度が薄まったような気がします。
こうして辛くも主人公は目的地である大堰堤に辿り着いたのでした。
大堰堤というのは、ツヴァルク一族がナイリス川の氾濫を食い止めるために作った巨大な壁のことです。万里の長城とダムを足して二で割ったような感じでしょうか。しかし皮肉なことに、治水を始めてからこの地はかえってやせ細ったとのこと。川の氾濫によって肥沃な土壌が運ばれてくることがなくなってしまったということでしょうか。。。
主人公は出発前の英雄達との会話を思い出します。毒のせいで調停戦士ブラクストンはアンチファランクス症状、いわゆるアナフィラキシーショックで死にかけたのだとか。
ここではじめて、フラグチェックが登場します。私の手に入れた言ノ葉3は「毒原を」でしたね。他にも5つほどキーワードが並んでいます。毒の問題を解決するなら、今回のルートがストレートな正解っぽいですよ!
いざ、ツヴァルカンの「独創的毒草解毒法」を紐解いてみると、坑道に住まう魔獣のことが書いてあります。彼の言っていたマンティコアのことでしょうね。散の国では、今でも魔獣に挑む者を募る祭りが行われているのでしょうか。。。
さて、大堰堤を超えて進もうとすると、そこには水門の関所がありました。運河のようになっているのですね。
あまり関係ありませんが、こちらはアムステルダムの水路です。
主人公は門番に呼び止められました。検疫を受けて、川舟に乗り換えるようです。
荷物を検査されて一瞬ヒヤッとしましたが、王様の用意してくれた鞘のおかげで、邪大剣を何とかごまかすことができました。
ほっと一息したところで、ライゼに話しかけてきた別の門番がいます……
次回に続きます。
護国記リプレイ その16
どうも、ちゃなです。
「護国記」リプレイも第16回にして遂に王城の外に出ます。
まあ、前世では亡命したり何したりで結構城の外には出ているのですけどね。
城下の森で、主人公はあの翼竜と再会します。
翼竜はきたる魔神との共闘を約束してくれました。きっとクライマックスでライゼが天を仰いだ時に駆けつけてくれるのでしょう。
その後、ライゼは地図を広げ、ルートを確認します。
フィオレンティナの話では、五つの国はいずれも種々の災厄に見舞われているとのこと。独沼の拡大だったり、内戦だったり、原因は様々ですが、最後の帰結が魔神による世界崩壊なのは一緒です。
弐の国の三英雄と合流するという中間目的はあるものの、道中でなるべく災いの種を刈り取っておきたいのもやまやまです。
一体どういうルートで回っていったらいいのでしょうか……?
一通りルートを検証した末に、私はとにかく街道をまっすぐ進んで弐の国入りすることを目指すことにしました。
だって、三英雄を味方につけられれば、圧倒的に人脈が広がるでしょう?その後の仕事がやりやすくなること間違いなしです。
道中の野盗や魔獣はもはやただの雑魚です。邪大剣を振るうまでもなく、ライゼのオーラに当てられてみんな逃げていきます。うーん、これ、あまり頼りすぎるとダークサイドに落ちたりしないか、ちょっと心配です。
しかし油断大敵。街道を越えたところで、主人公は毒の沼地に足を踏み入れてしまいました。一歩で4ダメージなんて生易しいものではありません。
そこでライゼを救ったのは、あの伝説の毒草師ツヴァルカン。存命だったのですね!
彼の言うことには、マンティコアの尾を手に入れれば、解毒草を大量生産できるとか。ちょっとRPGっぽくなってきましたね。。
ここで初めて、「言ノ葉」を得ることになりました。
「言ノ葉3 毒原を」
これは、後期のFFシリーズに出てきたコードワードのようなものでしょうか。いくつか組み合わせることで、これまでの経緯を辿る詩文になるのかもしれませんね。「預現者」にふさわしいギミックとも言えるでしょう。
ライゼの旅はまだまだこれからです。
護国記リプレイ その15
どうも、ちゃなです。
「護国記」はいよいよ大詰め……?ようやくラスボス「魔神」を屠る可能性が見えてきました。
主人公ライゼは王命を受けて「地縛りのイクサリス」に任命されます。世界に散らばった王のスパイを統括し、紛争の火種を消して回ることで、来たる魔神との戦いを少しでも有利に進めるのです。
これはもう、勝ったも同然の展開ですよね。だってライゼは何度でも輪廻できるんですから。勝ち筋が一つでもある限り、一つずつしらみつぶしに当たっていけばいいんです。
これはまるで、ゲームブックの攻略そのもののようですね。
話がずれますけど、映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の中に、魔術師ドクター・ストレンジが何千万という未来を予見してその中で勝ち筋が一つしかないと呟くシーンがあります。その後物語は急展開を迎えるのですが、私はこの場面を見て「アベンジャーズ、勝ったな!」と思いました。あの作品には「ここでもし〜だったら」というシーンが目白押しで、ゲームブックにしたらすごく面白いんじゃないかなあ。多分、次回作ではif展開になるでしょうしね。。
閑話休題。
王はライゼの旅立ちにあたり色々を準備と助言をしてくれます。曰く、第二王子だった国王は若い頃世界を旅して回ったのだとか。邪大剣モラルサカを収納する鞘やら、旅の路銀やら、長旅用の馬やら、必要十分な装備を周到に準備してくれます。ドラクエの王様とは一味違いますね。。。
いよいよ旅立ちの時です!
……さて、私はここでちょっと怖い想像をしています。
もしかして……護国記って、ここでようやくプロローグが終わった、なんてことは……ないですよね……?
護国記リプレイ その14
どうも、ちゃなです。
護国記のリプレイはこれで14回目。でも、そんなに時間がかかっているわけでもありません。毎日ちょっとずつ読み進めています。
ゆっくり読んでいると、過去のエピソードを忘れてしまうというのはよくあることですよね。でも本書はそんな心配も不要。何しろ物語内では一日さえ経っていないのですから。。。
唐突に森を訪れた主人公。そこで出会ったのは、一か月後に城壁を破壊し、主人公とボードゲームに興じた、あの翼竜でした。なんと、ここでは翼竜との会話が成立します。
彼(?)によると、残穢石はもともと翼竜のものであったとか。あれを取り戻すために翼竜は三英雄に手を貸したようです。しかし石がライゼの体内に入った今となっては、ライゼの後悔が消えるまで石は戻りません。もともとライゼに敵意は持っていなかった翼竜は、ここで時の超越者として重要なヒントをくれます。
それは、国王が魔神を復活させた動機について。
確かに、名君がいきなり魔神の復活だなんておかしいなあ……とは思っていたのですよね。
主人公は王に真意を問うために、「剣の審判」に訴えます。これは、命を賭して国王の真意を問い質すための儀式のようなものです。もちろん、会話の選択肢を間違えると首が飛ぶことになります。
どうやら、王は、力を溜め込む前に自ら魔神を復活させ、被害を最小限に食い止めようとしていたようです。ところが、最後の一か月で未曽有の災害が各地で起きたため、魔神は力を増し、想定以上に強大になってしまい、三英雄の全滅という悲劇を招くことになりました。
うーん、これはどうなんでしょうか。
確かに、よくある「復活した魔神を倒しに行く」設定の冒険譚を読むにつけ、「黒幕って、魔神復活を急ぎすぎたんじゃないの?むしろ復活させずしばらく力を溜め込んでおいた方が勇者にとって厄介な展開になったのでは……」と思うことがしばしばありました。
でも、私だったらまずは封印の祭壇を郊外に移すところから始めたいかなあ。封印を動かせないならば、せめて適当な理由をつけて住民を退避させておいてほしかったな。。
。
なお、このことを知っていたのは、どうやら王の直属のスパイ集団「ダンデライオン」だけだったご様子。儀仗兵たちはうすうす気づいていたようですが。。。
目論みが外れて魔神の復活が世界の破滅を招いてしまうことを知った王は、一計を案じます。それはライゼをスパイの長に任命して、各地で起きる騒乱の芽を事前に摘み取ること。そうすることにより、復活した魔神の戦力をそぎ落とすことができます。
この辺り、協力型ボードゲームのネタにできそうですね。イメージとしては「ヴィーナスアンドブレイブス」みたいな感じで、各地を回って揉め事を解決しつつ最終決戦の準備をする、みたいな。預現者役のプレーヤーや限定的な手段で他のプレーヤーに今後起きるイベントの情報を伝えることができる、というギミックも面白そうです。
ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~ - PSP
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なんてね。この先、本当にそういう展開になってるかもしれません。
護国記リプレイ その13
どうも、ちゃなです。ゲームブック作家しています。
宣伝はさておき「護国記」リプレイもついに13回めにしていよいよラスボス(多分)、魔神の登場です!
ラスボス(多分)だけあって、こいつは超弩級の迫力です。何しろ人の苦しみや世の乱れを喰らって大きくなるというのですから、単なるモンスターではなく、災厄の化身とでもいうべき存在です。
そして、主人公の輪廻を成立させている残穢石は、魔神の血肉。主人公の構える邪大剣モラルサカは、魔神の爪。
これでは勝ち目がありませんよね……。ライゼが三英雄やフォリュデリュック王を相手どって掴み取った奇跡的な勝利は、魔神のパーツに頼ってのものに過ぎなかったのです。
赤子の手をひねるように三英雄を屠っていく魔神。残穢石のありかを悟られる前に、ライゼは輪廻の渦に飛び込みます。
しかし、これでは何度挑んでも勝ち目はゼロですよね。あとは国王を説得して完全復活する前に魔神を封印するくらいしか。。。
と思って目を覚ました主人公ですが、これまでと様子が違うようです。
なんと、今回は1ヶ月も時間が戻っている!
これはちょっと唐突感がありますね。何か必然性があってのことなのでしょう。
ともあれ、時間の猶予ができました。久方ぶりの、いや、本編始まって以来の、まともな探索フェイズです。さて、どこへ行こうかしら。
……と思ったら、ほとんど選択の余地がありませんでした。やはり、一か月後の惨劇を目の当たりにした主人公は、どこに出かけても上の空。
あ。このくだり、惨劇が一か月後じゃなくて二日後って書いてあるところがありますね。誤植でしょうか?それとも何か意味があるのかしら。
結局、ライゼは王城を抜け出してふらふらと森に入っていきます。
そこで邂逅した相手とは……?