護国記リプレイ その21
大作ゲームブック「護国記」。前回はあと一歩というところで魔獣に殺されてしまいました。 今回は負けませんよ!
……今回戻されたのはなんとマンティコア戦前。ロード時間も皆無だし、下手な格闘ゲームよりよっぽど親切設計です。
今度は迷わず正面から斬り込みます。敵の前足に一撃を与えることに成功!
しかし、敵には翼があります。飛び上がられたら最後ですから、ここはダメ押しで翼を切り裂いておきます!
マンティコアを縛り上げて他のツヴェルク達と合流します。なんでもこいつらは、一昔前までは眠っている最中に尾の毒を採取できるくらい大人しかったのだとか。一体何が起きているのでしょうか……?
とそこで、主人公は坑道の奥に人影を見ます。お約束としてはマンティコアをけしかけた黒幕というところですが……ヴィルファン?
王女様がこんなところにいるはずがない。まさか空目なわけないし、いったいどういうことでしょうか?
(1)実はヴィルファンが黒幕
(2)双子の姉が黒幕
(3)ヴィルファンの実母が生きていて黒幕
(4)他人の空似
(5)ヴェルファーノと言い間違えた
……うーん、さっぱり予想がつきませんね。まあ、下手に当ててしまっても面白くないので、ここは謎を抱えつつ。。。
妄想をめぐらすライゼの後ろから現れたのは、実はちゃっかりついてきていたツヴァルカンです。一体どうやって追いついたのやら……なんて無粋なことは言わず、さっそく解毒剤を作ってもらいましょう。
見事マンティコアを生け捕りにした主人公は、ツヴェルク達に英雄視されることになります。悪い気分ではありません。しかし休むもなく、今度は水龍を倒してほしいとの依頼を受けることに。
ところで、ここでツヴァルカンは「水龍」と言いましたね。「毒を喰らう竜」と「毒を飲み込む水龍」。「竜」と「龍」には何か違いがあるのでしょうか?それとも、水がつくと「龍」の字を使う慣習があるのかしら。。
ともあれ、期待通りにミスリルメイルをもらい受けて、主人公はいざ水龍に挑みます。
細かいことですが、このミスリルメイルはやっぱりヴェルケンミスリルの細糸を縦横に編み込んで作られた鎖帷子、つまりチェインメイルなんですね。ここでツヴァルカンの台詞「調整ベルトの位置を変えれば人間にも装備できる」が光ります。これがスーツアーマーだったら、ツヴェルクと体格が異なる主人公にはどうしたって装備できませんからねー。もしかして、他種族でも貢献者には報恩するというツヴェルクの思想から、あえてミスリルをスーツアーマーに加工せず、チェインメイルに仕上げたのかも……と想像を膨らませてみました。
次回は、いよいよ水龍に挑みます。(本当に?)
護国記リプレイ その20
ほぼリアルタイムでお送りする「護国記」リプレイ。今回は散の国の地下深くからお届けしています。
ノリに任せてツヴェルク達と一緒に坑道へと足を踏み入れた主人公。
しかし、「しし狩り」といっても、イノシシにせよライオンにせよ、坑道に棲んでいるとはちょっと考え難いですよね。
……もしかして、この「しし」って、マンティコアのことではないかなあ?
「シャムタンティの丘を越えて」でも洞窟の奥地に巣くうマンティコアがラスボスでした。表紙に描かれているこいつです。技術点12で、はっきり言ってマンパンの大魔王より強い!
シャムタンティの丘を越えて (Adventure game novel―ソーサリー)
- 作者: スティーブ・ジャクソン,浅羽莢子
- 出版社/メーカー: 創土社
- 発売日: 2003/07/01
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 58回
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さて、坑道内で散開してしし捜索の開始です。いきなり分かれ道ですが、事前情報の通りにここは左へ。
そしてもう一度。左でしたよね。
とそこで、連絡用の鋼笛の音が響き渡り、言ノ葉チェックです。今度はちゃんと「毒原を」がありますよ。
広い洞窟には大獅子が数匹徘徊していました。どうやらイノシシではなく、大獅子のことだった様子。
……と言う間もなく、やっぱりマンティコアが登場!先に言えよ!
……と思ったらライゼも「言うの遅い!」と怒鳴っています。もう完全に主人公とシンクロしています。
マンティコアとどう戦うか?うーん、攻略法どこかで読んだかなあ。忘れちゃいました。
とにかく毒のある尾を落としてみましょう。
……うまくいきました。読みあいに勝った主人公は見事にマンティコアの尾を断ち切ります。
続いて、ここは……いったん距離を取って……!
……マウントを取られました。翼のある分、敵の踏み込みの方がリーチが深かったようです。ああ、このライゼは、どうやらここまでのようです。。。
護国記リプレイ その19
「護国記」リプレイはまだまだ続きます。
地下水路を探るのはどうやら危険が大きそうです。良い防具を見つけてからまた来るとして、今度は寺院に入ってみましょう。
主人公は装飾をしげしげと見つめてみます。この寺院のご神体はどうやらツヴェルク十三氏族を象徴している様子。
……と、ここで言ノ葉チェックなのですが、「毒原を」がありませんね。バグでしょうか?それともパラグラフリンクを踏み間違えた?
アップデートで対応されるかもしれないので、装飾はちょっと置いておいて、らせん階段を下ってみます。
すると、地中には地上とは比べ物にならないほど大きな空間が広がっていました。どうやらここは代表者だけではなく集団での会合が行われる場所のようです。
会議室は警備されていては入れないようなので、さらに階段を下へ。いよいよ地下坑道都市に辿り着きます。
案内人の説明では、毒の沼が広がってしまったために今や多くのツヴェルク達が地下に身を潜めているのだとか。もともとツヴェルクのルーツが捨てられた子らだったことを考えると、同情を禁じ得ません。複雑な思いに駆られながら、ライゼは地下都市ルイゲシュタットへと降りていきます。
いきなり大通りで、東西南北に道が伸び、たくさんの建物が並んでいます。選択肢も本書始まって以来の10本!
どうやらツヴェルク都市は双方向っぽいつくりになっているので、気を抜くと目的を見失ってしまいそうになります。ここは情景を思い描きながら慎重に進んでいきましょう。
取りあえず立ち呑み屋を覗いてみたところ、近くでお祭りをやっている様子。
参加してみたはいいのですが、主人公は作法を知りません。ファイアドラゴン踊りとか、いったい何なのでしょう?もしかしたら、途中まで読んでいたツヴァルカンの本に書いてあったのかもしれませんね。こういう、物語の奥に文化を感じさせるところが、本書の魅力の一つでもあります。
ちょっとずるをして(選択肢総当たり)、ツヴェルク達の喝采を勝ち取り、ローストリザードをいただきました。そこで彼らが口々に言うには、今年の祭器は高密度ヴェルケンミスリル製の鎧だとか。これは、前世で見た、毒を喰らう竜に対抗できる装備っぽいですね。
ちなみにミスリルというのは指輪物語のトールキン先生が考案した架空の金属で、銀の光沢と鋼以上の硬度を持つとされています。かの地ではドワーフがミスリルを採掘するためにモリア坑に深入りしすぎて悪魔バルログを目覚めさせてしまったという逸話があります。
強力であるがゆえに破滅をもたらす金属。このモチーフはコンピュータRPGの雄「イース」でも「クレリア」と名を変えて用いられていますよね。
拙作「ネイキッド」シリーズでも、ミスリル製のチェインメイルは、軽くて動きやすいうえに魔法に耐性のある最強の鎧として扱われています。見つけたら装備しておけば間違いありません。
これはなんとしても手に入れたいですね。ツヴァルク達は意外に懐が深いようで、手柄を立てればよそ者でも受け入れてくれるようです。しし狩りについていってコンペで優勝すれば、祭器をもらえるのでしょうか?
次回に続きます。
護国記リプレイ その18
「護国記」の主人公ライゼは東へと旅を続け、散の国に入ります。
そこで話しかけてきたのは、なんとこの国に住まうダンデライオンの綿毛、つまり国王のスパイでした。
そのツヴェルクは、「坑道を左、左」と意味深な言葉をかけてくれました。
坑道を左、左というと、思い出すのは「ソーサリー!」ですねー。第1巻のラストダンジョンを安全に抜けるための唯一のルートです。単なる偶然、それともリスペクトかな?
シャムタンティの丘を越えて (Adventure game novel―ソーサリー)
- 作者: スティーブ・ジャクソン,浅羽莢子
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さて、舟は川の中州のようになった「三日月平地」へと進んでいきます。そこに見えるは大堰堤内唯一の建造物、氏族たちが一堂に会する「調停寺院」でした。
ちょっと寄り道して寺院の裏手に進んでみましょう。どうやらここから川の方へ降りられるようです。
ここでも言ノ葉チェックがありました。
ちょっと息が苦しいですが、急いで川の底を泳ぎ探ってみます。
何とそこには水中神殿がありました。空気溜まりで息継ぎをして、もう少し調べてみます。
余談ですが、この「息継ぎをしないと窒息してしまう」という切迫感を奇想天外なギミックで表現したゲームブック作品と言えば、「紅蓮の騎士」ですね。
余談+宣伝ですが、この作品の最後には「6つの星」問題というリドルがあって、これは拙著「デレクの選んだ魔法」の最終問題「法則の間」を着想するヒントにさせていただきました。
やはり最後にびしっと謎があると、ゲームとして引き締まりますよね。そしてゲームブックのいいところは、万一謎が解けなくても全編通読すれば強引に進むことができることです。
話を戻します。
地下神殿の岩壁には赤い目をした彫像が並んでいました。中でも一番巨大なのは魔龍レヴィアトのようです。おそらくモチーフになったのはリバイアサンでしょう。ファイナルファンタジーで有名になった幻獣ですが、その源流は旧約聖書で、哲学者のホッブスの著作名としても知られていますね。
ここで言ノ葉チェック。ツヴァルカンの著書には「毒を喰らう竜」の項目がありました。この本、めちゃくちゃ役に立ちます。でも写本ですから、もしかしてものすごくかさばるのでは。。。
毒を飲み込む水龍というのはハイドラグーンと言って、魔龍レヴィアトとは似て非なるもののようです。最下層の水中にいて、防具なしで遭遇すればアウトだとか。
ここは深追いを避けることにして、ライゼはいったん上に向かいます。
しかし、どうもこの界隈は双方向になっていて、もう一度潜ることができる様子。ならば今度はちょっと川底を散歩してみようかしら……
と思ったのが運の尽き。川蜉蝣なる、アリジゴクみたいな魔獣に捕まり、ライゼはあっさりあの世……もとい、調停寺院の入り口までZAPされましたとさ。うーん、油断大敵。
護国記リプレイ その17
どうも、ちゃなです。
波刀風賢治さんの大作ゲームブック「護国記」リプレイ、ちょっと立て込んでて一休みしていましたが、今日から再開します!
中原に広がる毒沼を浄化すべく、毒草師ツヴァルカン謹製の教科書片手に突き進む主人公。行けども行けども沼は尽きず、夜を迎えました。やむなくキャンプを張り、寝る前に読書に勤しむことにします。ここでは何項目かを選んで読むことができるのですが、ちゃなは敢えて本編に関係なさそうな詰めシャトレンジェの項目を開いてみます。
ところがこれ、チェスのプロブレムのようなものかと思いきや、ヒドラの倒し方が書いてあるではありませんか。どうやらこの世界のシャトレンジェは現実の戦闘の鏡写しになっている様子。
そして四日目の昼。いよいよ行く手が怪しくなった頃合いで、なんと主人公はヒドラそのものに遭遇します。九つの首を持ち毒霧を吐く強敵ですが、ここは教科書通りの動きで見事撃退しました。
ツヴァルカンは、ついでに毒蛇を倒してほしいと言っていました。このヒドラのことだったのでしょうか。心なしか毒沼の密度が薄まったような気がします。
こうして辛くも主人公は目的地である大堰堤に辿り着いたのでした。
大堰堤というのは、ツヴァルク一族がナイリス川の氾濫を食い止めるために作った巨大な壁のことです。万里の長城とダムを足して二で割ったような感じでしょうか。しかし皮肉なことに、治水を始めてからこの地はかえってやせ細ったとのこと。川の氾濫によって肥沃な土壌が運ばれてくることがなくなってしまったということでしょうか。。。
主人公は出発前の英雄達との会話を思い出します。毒のせいで調停戦士ブラクストンはアンチファランクス症状、いわゆるアナフィラキシーショックで死にかけたのだとか。
ここではじめて、フラグチェックが登場します。私の手に入れた言ノ葉3は「毒原を」でしたね。他にも5つほどキーワードが並んでいます。毒の問題を解決するなら、今回のルートがストレートな正解っぽいですよ!
いざ、ツヴァルカンの「独創的毒草解毒法」を紐解いてみると、坑道に住まう魔獣のことが書いてあります。彼の言っていたマンティコアのことでしょうね。散の国では、今でも魔獣に挑む者を募る祭りが行われているのでしょうか。。。
さて、大堰堤を超えて進もうとすると、そこには水門の関所がありました。運河のようになっているのですね。
あまり関係ありませんが、こちらはアムステルダムの水路です。
主人公は門番に呼び止められました。検疫を受けて、川舟に乗り換えるようです。
荷物を検査されて一瞬ヒヤッとしましたが、王様の用意してくれた鞘のおかげで、邪大剣を何とかごまかすことができました。
ほっと一息したところで、ライゼに話しかけてきた別の門番がいます……
次回に続きます。
護国記リプレイ その16
どうも、ちゃなです。
「護国記」リプレイも第16回にして遂に王城の外に出ます。
まあ、前世では亡命したり何したりで結構城の外には出ているのですけどね。
城下の森で、主人公はあの翼竜と再会します。
翼竜はきたる魔神との共闘を約束してくれました。きっとクライマックスでライゼが天を仰いだ時に駆けつけてくれるのでしょう。
その後、ライゼは地図を広げ、ルートを確認します。
フィオレンティナの話では、五つの国はいずれも種々の災厄に見舞われているとのこと。独沼の拡大だったり、内戦だったり、原因は様々ですが、最後の帰結が魔神による世界崩壊なのは一緒です。
弐の国の三英雄と合流するという中間目的はあるものの、道中でなるべく災いの種を刈り取っておきたいのもやまやまです。
一体どういうルートで回っていったらいいのでしょうか……?
一通りルートを検証した末に、私はとにかく街道をまっすぐ進んで弐の国入りすることを目指すことにしました。
だって、三英雄を味方につけられれば、圧倒的に人脈が広がるでしょう?その後の仕事がやりやすくなること間違いなしです。
道中の野盗や魔獣はもはやただの雑魚です。邪大剣を振るうまでもなく、ライゼのオーラに当てられてみんな逃げていきます。うーん、これ、あまり頼りすぎるとダークサイドに落ちたりしないか、ちょっと心配です。
しかし油断大敵。街道を越えたところで、主人公は毒の沼地に足を踏み入れてしまいました。一歩で4ダメージなんて生易しいものではありません。
そこでライゼを救ったのは、あの伝説の毒草師ツヴァルカン。存命だったのですね!
彼の言うことには、マンティコアの尾を手に入れれば、解毒草を大量生産できるとか。ちょっとRPGっぽくなってきましたね。。
ここで初めて、「言ノ葉」を得ることになりました。
「言ノ葉3 毒原を」
これは、後期のFFシリーズに出てきたコードワードのようなものでしょうか。いくつか組み合わせることで、これまでの経緯を辿る詩文になるのかもしれませんね。「預現者」にふさわしいギミックとも言えるでしょう。
ライゼの旅はまだまだこれからです。
護国記リプレイ その15
どうも、ちゃなです。
「護国記」はいよいよ大詰め……?ようやくラスボス「魔神」を屠る可能性が見えてきました。
主人公ライゼは王命を受けて「地縛りのイクサリス」に任命されます。世界に散らばった王のスパイを統括し、紛争の火種を消して回ることで、来たる魔神との戦いを少しでも有利に進めるのです。
これはもう、勝ったも同然の展開ですよね。だってライゼは何度でも輪廻できるんですから。勝ち筋が一つでもある限り、一つずつしらみつぶしに当たっていけばいいんです。
これはまるで、ゲームブックの攻略そのもののようですね。
話がずれますけど、映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の中に、魔術師ドクター・ストレンジが何千万という未来を予見してその中で勝ち筋が一つしかないと呟くシーンがあります。その後物語は急展開を迎えるのですが、私はこの場面を見て「アベンジャーズ、勝ったな!」と思いました。あの作品には「ここでもし〜だったら」というシーンが目白押しで、ゲームブックにしたらすごく面白いんじゃないかなあ。多分、次回作ではif展開になるでしょうしね。。
閑話休題。
王はライゼの旅立ちにあたり色々を準備と助言をしてくれます。曰く、第二王子だった国王は若い頃世界を旅して回ったのだとか。邪大剣モラルサカを収納する鞘やら、旅の路銀やら、長旅用の馬やら、必要十分な装備を周到に準備してくれます。ドラクエの王様とは一味違いますね。。。
いよいよ旅立ちの時です!
……さて、私はここでちょっと怖い想像をしています。
もしかして……護国記って、ここでようやくプロローグが終わった、なんてことは……ないですよね……?