ちゃなのゲームブック

ゲームブック作家「ちゃな」のブログです。Amazonキンドルで「デレクの選んだ魔法」等販売中!

ソーサリアンTEXT新作「STカードバトル」

こんにちわ、ちゃなです。

ゲームブック作家をしています。最近はマーダーミステリーばかりですが。。

 

今回は、ソーサリアンTEXTの新作「STカードバトル」のお披露目です!

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そもそもソーサリアンとは?日本ファルコムさんの名作コンピュータRPGですね。

もともとは1987年にPC-8801で発売された作品ですが、ドリームキャストやウィンドウズに移植されたり、エミュレータで動くバージョンが販売されたり、なんと最近ではニンテンドーSWITCHでプレイ可能なバージョンも。この辺は深掘りするとキリがないので雑な紹介でご勘弁ください。

 

そしてソーサリアンTEXTというのは、ソーサリアンを復活させようという同人(エイプリルフール)企画「ソーサリアンNEXT」から派生した、ブラウザベースのインタラクティブノベルのウェブサービスです。もちろん非公式。

同人と侮ることなかれ。既にスタッフや寄稿者によるシナリオが30本も公開されています。当然完全無料。

ちゃなはそのうち5本を制作しています。

ちなみに前作「ソーサリアベンジャーズ」はアベンジャーズ風味のソーサリアン。全901パラグラフの大作です。まだクリア報告いただいてないんですよね。。

 

で、本作「STカードバトル」は、ソーサリアンTEXTのアルゴリズムでカードゲームをやっちゃおうという試みです。

ルールは簡単。

ゲームが始まると、「ファイター」「ウィザード」「ドワーフ」「エルフ」「ヒーロー」「ヴィラン」の6枚のカードのうち、3枚が配られます。残りの3枚は敵が持っていることになります。

3枚のうちから1枚を選んで場に出し、敵の出したカードと比べて勝敗をつけます。

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カードの強弱関係

2回戦は2枚のうちから選択。3回戦は残りのカードで戦います。

これを繰り返し、先にHPを削りきった方の勝利となります。

 

カードには様々な特徴があります。

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ファイター

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ウィザード

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ドワーフ

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エルフ

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ヒーロー

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ヴィラン

こんな感じです。

プレイヤーにはヒットポイントの他に能力値とMPが、敵には固有のヒットポイントと攻撃力があります。

MPがゼロになってしまっても敗北です。

 

いつどのカードを出すか。選択肢はあまり多くありません。運ゲーの要素が強いです。

ちょっとした時間潰しに良いかなあと思って作りました。

 

敵のレベル設定には、ゴブリン(チュートリアルレベル)、ヒドラ(簡単)、ヴァイデス(やや強い)、キングドラゴン(難しい)と4段階あり、すべての敵を順番に倒していくキャンペーンモードも実装されています。

 

ソーサリアンTEXTのシステムでこんなこともできるんだよ、ということで。

良かったら遊んでやってください。

マーダーミステリー50戦!

こんにちわ、ちゃなです。

遂にマーダーミステリーの戦歴が50に達しました。

短時間で別の人生を味わえて、謎解きと騙し合いがてんこ盛りの一度きりの体験。贅沢な趣味ですねー。

 

41.二度目の真相

唇のねじれた男」を原作とした短編。ホームズとワトソンの二人で事件を解決する協力型のシナリオです。短時間でたっぷり頭を使いますよ!


42.オペラ座殺人事件

かの「オペラ座の怪人」を原作とする8人シナリオ。被害者はなんとクリスティーヌ!プレイ中についつい歌い出したくなりました。


43.背徳の代紋

神戸の反社会勢力な一家で起きた事件。ロールプレイの強さがよく話題に上がりますが、シナリオとしての完成度にも舌を巻きました。


44.色彩スーヴェニール(パラレル)

色彩スーヴェニール(メイン)と同じ状況、登場人物ながらまったく別のストーリー。メインよりちょっと難易度が上がります。同チームでの連続プレイがお勧めですねー。


45.少年少女Aの独白

とある小学校で起きた事件。捜査するのは5人の同級生。そこに担任教師と担当刑事がやってくる。エンディングは全員で号泣しました。


46.少女はSに溺れる

女学院で起きた惨劇。お嬢様RP全開でプレイできます……が……溺れますよ?何にかって?もちろん「S」にです。。


47.四人の令嬢と執事たち

令嬢と執事のペアで挑むマーダーミステリー。仲の良い同士で組むも良し、信頼の中にも疑いを抱きつつ参戦するも良し。


48.UFO研究サークル殺人事件

突拍子もないシチュエーションですが、中身はなかなかに骨太です。今回GMさんに配役していただき、満足度MAXでした!


49.鱗は剥がれて禊がれる

名作を輩出しているなつさんの最新作。竜人の村で起きた惨劇。本作はちゃなの個人的に最高のマダミス体験となりました。詳しくはふせったーをどうぞ。


50.鬼哭館の殺人事件

名作中の名作です。今思い返しても涙が止まらない。。店舗でコスプレ公演を狙うのも良いでしょうけど、八神つかささんのオンラインGMは至高でした!

 

……キャラ的には男女比4対6、役どころは伏せておきますが、いずれ劣らぬ演じがいでした。推理と隠匿、ロールプレイのバランスもかなりできるようになってきたという自負があります。

特に最後のうろみそと鬼哭館は墓場まで持っていきたい感動。。

 

さすがに今後は少しペースを落とそうかなあ。評判の良いシナリオはまだまだたくさんありますが、ちゃなの趣味に完全一致したもの以外は当面スルーして、リザーバー募集とかでタイミングが合えば参戦する感じにしようかな。

テストプレイにはなるべく参加したいし、お誘いを受けたらほいほいついていきますけどね。

あと、これまでの恩返しの意味も込めて、マダミスGMの割合を少し増やそうと思います。自作品テストプレイ以外ではまだ一桁しかやってませんからね。。

 

拙作「未完のエクシード」も宜しくです。

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また、ソーサリアンTEXTでは最新作「STカードバトル」が公開されました!

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今後の創作については、まずはキンドルゲームブック「明日が見えない」を完成させたいと思います。それでもまだまだ道は長いのですが。。

その裏で戦記物とか「オクトシャードサーガ」を進めてきましょうね。

マダミス次回作「王立魔術アカデミーで繰り返される殺人」は、ちょっと換骨奪胎中。タイトルを「王立魔術アカデミーを覆う悪意」にして、よりカジュアルで重厚な(どっちだよ)シナリオに仕上げたいなと思っています。

今後とも宜しくお願いします!

「口裂け少女のゲームブック」レビュー

こんにちわ、ちゃなです。

ゲームブック作家を名乗っていながら、実は最近あまりゲームブックを読んでいない(積ん読はいっぱいある)のですが。。

代々木丈太郎さんの新刊、「口裂け少女のゲームブック」をプレイしました!

口裂け少女のゲームブック (GameBook.xyz)

口裂け少女のゲームブック (GameBook.xyz)

 

代々木さんは以前にもご紹介したことのある、長らくゲームブックの普及活動に努めていらっしゃる方です。

gamebook.xyz

本作は100パラグラフ余の単方向作品です。サイコロ・筆記具不要。フラグ管理なし。つまり、ただ読み進めて選択肢をタップしていくだけの簡単仕様。

主人公は小学生の男の子。ある日、マスクをした可愛い少女に会うところからお話はスタートします。しかしその少女は……!

 

この作品、正直に言うと、前半はかったるいです。

選択肢を一つ間違えるとゲームオーバー。理不尽なエンドも多い。ストーリーはなかなか進まない。どんな風に面白くなるのかさっぱりわからない。

私はたまたま電車内で手持ち無沙汰だったので読み進めましたが、もう少しでそっ閉じするところでした。

 

ただ、そんな前半でも、少し引っかかるところがありました。

それは、怪奇ものを臭わせながら、設定が妙に現実的なところ。

法律の話とか出てきます。

代々木さん、以前に交通法規をテーマにしたゲームブックを執筆されています。(私は運転できないので実は読んでないのですが。。)

ご都合主義でない、徹底的に現実に即した設定が氏の真骨頂なんですよね。

そうすると、この口裂け少女の正体が、気になってきます。

ただホラーにわーきゃーする作品ではありません。というか、ホラーとしては描写があっさりしすぎてて旨味がありません。

 

わかるようでわからないゲームオーバーの山を越えると、ようやく主人公と少女の交流が始まります。

そして舞台が展開。

小田急線とか出てくるのは代々木さんらしいなあ、とか勝手に思いつつ。

登場人物が少し増え、怪奇もの一発ギャグは、児童文学のような広がりを見せ始めます。

 

白状してしまうと、この辺からちゃなは選択肢を選ばずただ通読を始めてます。相変わらずよくわからないゲームオーバーが多いんですもの。気短な方には、ゲームブック作家にあるまじきことですが、ちゃなはズルを推奨します。

 

そしてクライマックス。

何度か、目頭が熱くなりました。

いわばネタバレ、そして解決編に当たるパート。

甘さがまったくないんです。作者自ら、難題に対する実現可能性のある回答を示しています。

 

ゲームブックのシステム論的にはここまで特に見るべきものはなかったのですが、ここで初めて二つのギミックが出てきます。

一つは、ちゃなもよく使う技。賛否は分かれますが、本作ではこれがゲームブックたる所以というところで投入されています。

そしてもう一つは、ちょっとびっくりしました。初見というわけではないのですが、他のどの作品で出てきたか、ちょっと思い出せない。「読者が決める」という、ゲームブックのテーゼを前面に押し出したギミックです。

 

そしてエンディングへ……。

堪能しました。

代々木さんがゲームブックという媒体で何を表現したかったのか、そしてなぜゲームブックでそれを表現したかったのか、ようやくここで思いが伝わりました。

 

本作はキンドルアンリミテッドの対象なので、契約者はタダ読みできるのですが、序盤のたるさで力尽きてしまうのは勿体ないです。

パラグラフがあまりシャッフルされてないので、試し読みで読める範囲はたるい部分だけだと思います。

ここ、惜しいなあ。。

 

いわゆる「面白い作品」とは大分異なります。

ちゃなは大人ですが、果たしてこの少年のグッドエンドのように行動できるだろうか、とちょっと自分が恥ずかしくなりました。

そんな作品です。

新作ゲームブック「醜悪なタイムライン」がFT新聞様より配信されました!

こんにちわ、ちゃなです。

今日は第三日曜日。そう、FT新聞様から日曜ゲームブックが配信される日ですね。

ご存じない方のため説明しておくと、FT新聞とは日本で随一のゲームブック専門出版社であるFT書房が出している無料メルマガです。完全無料、広告なし、毎朝配信でなんと通算3000号に達しようとするメガ長期連載。内容はゲームブック関連の他にもクトゥルフとか本の紹介とか盛りだくさん。少しでもかするところがあれば登録しておいて損はありませんよ。公式サイトから2週間バックナンバーが読めます。

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そのFT新聞様に、ちゃなはこれまで2回ゲームブックを投稿しています。

第一作は「700万人のFT」。FT新聞の読者様を主人公と見立てた、全700万パラグラフ、最高難度をズルなしでプレイするとクリアまで概算20年かかるという超大作(??)です。既に配信終了していますので、読みたい方はFT書房にお手紙をどうぞ。(ちゃなはFT書房様を通さずに公開するつもりはありません)

そして本日配信されるのが二作め、マーダーミステリー風ゲームブック「醜悪なタイムライン」です。

 

本作は、ちゃなのゲームブックをお楽しみいただいていた方にはちょっとショッキングな内容かもしれません。

舞台は現代。主人公は殺人事件の現場に居合わせて、謎を解くために奔走することになります。冒頭に注意書きを設けておりますが、殺人、自殺、麻薬、性表現といった不快描写を含みますので、お気をつけください。

 

ここからは技術的な話になりますが、実は本作にはちゃながこれまで制作で培ってきた技術やギミックのすべてが注ぎ込まれています。

・タイムライン(マーダーミステリー等で用いられる時間軸を用いた整理)

・パラグラフジャンプ(本文中に明示されていないパラグラフへの遷移)

・パラグラフトリック(パラグラフ番号自体に別の意味がある)

・螺旋型半双方向(ループを繰り返すうちに新たなルートが見つかる構造)

・謎解き(解かなければ先に進めない)

・社会派(現実世界に対する警鐘)

・マルチエンディング(プレイヤーの選択によって結末が変化する)

・マルチプロット(プレイヤーの選択によって真相自体が変化する)

メタフィクション(作中で物語の視点が高次に移る)

叙述トリック(語り手が読者に何かを隠匿する)

ダブルミーニング(同じ文章でもそれまでの経緯によって解釈が異なる)

・オマージュ(とある超有名作家へのリスペクト)

これらを全2000パラグラフ(??)の中に詰め込みました。

 

なので、ちゃなの中では本作が一つの総集編となります。

……決して好きな作品ではないんですけどね。むしろ執筆しながら何度も吐きそうになってました。まあ、たまにはこういう作品も書かないとね。。

果たしてどう映るかは皆様次第。ご笑覧いただければ幸いです。

 

あ、そうそう。ちゃなの処女作マーダーミステリー「未完のエクシード」の無料配布期間は今日までですのでお忘れなく!

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「醜悪なタイムライン」の配信はFT新聞様のアーカイブが消える2週間後までです。こちらも配信終了後にちゃなから刊行することはありませんので悪しからず。

マーダーミステリーの戦歴が40に達しました

こんばんわ、ちゃなです。

ちゃなのゲームブック最新作「醜悪なタイムライン」が明日21日、FT新聞様から配信されます!まだの方は是非メルマガ登録をどうぞ。

ftbooks.xyz

また、ちゃなの処女作マーダーミステリー「未完のエクシード」も明日21日まで無料配信中です。こちらもお見逃しなく!

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さて、プレイヤーとしてのマダミス戦歴も遂に40を迎えました。

 

31.人間卒業

PC全員お嬢様の高校生。不気味なタイトルですね。しかし内容は……!

 

32.Dr.イルビッゲの危険な研究所(テストプレイ参加)

膨大な作品を出していらっしゃるサークルぐりぐり様の新作テストプレイに参加しました。実に7時間の大作です。ハンドアウトの長さに目が回り、濃厚な背景設定に舌を巻き。。

 

33.ウィッカクラフト・ルーム

魔法学校で起きた事件。凶器もタイムラインもないファンタジーシナリオです。わけもわからず気に入ってしまったのでGMとして回させていただくことにしました。

 

34.聖剣王殺

店舗公演。幹事の方に配役を決めていただきました。そしてそれがめっちゃ刺さった!もっとできたはずという後悔とともに深い余韻が今も残っています……

 

35.異世界迷宮オークション

こちらはデスゲーム風シナリオ。駆け引きと謎解きにひたすら頭を使いました。これもGMがやたら楽しそうなのでいずれ回したいと思います。

 

36.ドリームランド(テストプレイ参加)

製品化直前のテストプレイに参加。様々な相反するギミックがぎゅっと詰まり、それでいて絶妙なバランスを保っている作品です。

 

37.白キ霧ノ中デ悪夢ハ笑フ

欧州の古いホテルで起きた殺人事件。古典的本格の臭いが漂いますが、ギミックやディテール、そして背景設定は一筋縄ではいきません。


38.ゲームマーケット大阪2020殺人事件

中村誠先生の商業用マダミス第一作。ミニマルなのに考察要素が濃縮されていて、どこから見てもまったく無駄のない、まさに職人芸。


39.魔女の聖餐式

こちらも中村誠先生の作品。ホラー要素が強いのですがしっかりマダミスしています。おいしいたにしさんのイラストがまたものすごく合っているんです。こちらも即買いして回すことにしました。

 

40.色彩スーヴェニール(メイン)

PCは全員女子大生。メインとパラレルの2本入って主題歌までついているというお得な作品です。

 

プレイキャラとしては、ここまでなぜか全員女性!(聖剣王殺除く)

役どころは伏せますが、各々しっかり物語の中での息づかいが感じられました。。

 

実は、自分の中で、真相推理や隠匿に関しては、まあそこそこできるかな、という目処が立ってきました。もちろんダメダメなこともありますけど。。

楽しむこと、役割を演じることについても、十二分にできているという自負を持っています。

これ、以前人狼掲示板で20戦ほどこなしたときの感覚に似ています。

まだまだ上はあるのでしょうけど、ゲーマーとしてはとりあえずのプラトーに達した気がします。

 

では今後はというと、周りをよく見ること、そして他のプレイヤーさんの魅力を引き出したり、GMさんをさりげなくサポートしたり、そしてなにより「またちゃなと同卓したい」と思ってもらえるように振る舞うこと。

これが課題ですね。。

個人的には、これができなければいくらうまくなっても上級者とは言えないと思っています。

私は相変わらず自分しか見えていない。

感想を書いてても、驚くほど自分のことしか憶えていない。

これでは早々に限界がきてしまうなあ……と思っています。

GMするときも、各プレイヤーさんの良い動きや演技を見逃さず引き立てられるようになりたいです。

 

一方で制作の方は、「ソーサリアンTEXT」の新作の仕上げにかかっています。さらに数ヶ月以内でもう一作仕上げるつもりです。

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他にも制作途上のゲームブックがいくつもあるので、今年中には完成させたいところですね。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

ちゃなの処女作マーダーミステリー「未完のエクシード」発売されました!

こんにちわ、ちゃなです。

ゲームブック作家を名乗り始めて数年が経ち、これまで何作かアマゾンさんのキンドル・ダイレクト・パブリッシング等から作品を発表させていただきました。

そして今回は大きな節目となります。

ちゃなにとって初めての、ゲームブック以外の作品、マーダーミステリー「未完のエクシード」のお披露目です!

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本作は5人のプレイヤーで遊ぶことのできるゲームです。オンラインにもオフラインにも対応しています。ゲームマスターなしでも楽しめますが、全員がマーダーミステリーの初心者の場合は、どなたか体験済の方にGM役をお願いした方が良いかもしれません。ちゃなも随時ご依頼承ります!

 

マーダーミステリー。それは殺人事件に出くわした登場人物になりきって、捜査をして犯人を突き止めたり、あるいは犯人として相手を騙して逃げ延びたりといった体験を楽しむゲームです。

類似のテーマを扱ったボードゲームやコンピュータゲーム、ゲームブックも数多くありますが、マーダーミステリーの特色は、プレイヤー同士の議論による協力・探り合い・騙し合い・説得などが決定的な意味を持つこと、そして真相を推理する要素ゆえに一生に一度しか遊べない性質を持っていることです。

 

本作「未完のエクシード」はマーダーミステリーが初めてという人でも無理なく楽しめるよう、簡潔な手順とわかりやすい進行、情報量の絞込みなどに労力を注ぎました。実際、35名に及ぶテストプレイヤーさんの中にはこれが初マダミスという方も複数いらっしゃいました(初マダミスに拙作を選んでくださった勇気と信頼に深く感謝!)。

 

プレイ時間は2時間弱。オンラインで行う場合はボイスチャットとPDFファイルの配布・閲覧機能だけでプレイ可能です。

 

なお、マーダーミステリーは他のジャンルにも増してネタバレの許容度が低いです。「犯人が存在するか否か」も含めて、本作についてあなたの知っていることを他者に漏らすことはお控えください。

 

本作は定価800円ですが、処女作発売を記念して一週間だけ無料配布期間を設けています。是非今のうちにダウンロードを!そして仲間を見つけてプレイしてみてください。

きっと素敵な事件に遭遇できると思います。

マーダーミステリーにおける初心者犯人問題への対処法

こんにちわ、ちゃなです。

 

多くのマーダーミステリーは、1人の犯人役プレイヤーと、それ以外の探偵役プレイヤーとの非対称の戦いの構図を持っています。

探偵役はみんなで協力して真相を究明するのですが、犯人役はたった一人でそれを妨害して逃げ切らねばなりません。このため、犯人役をプレイするのが嫌いな方も多いようです。

特に、マダミスが初めて、もしくは数回しか経験していない初心者が犯人役を引いてしまい、うまくウソをつけないままベテランの探偵役プレイヤーにあっさり真相を見破られてしまうと、ゲーム中盤から最後まで延々と皆に糾弾され続けるという、とても辛い展開になることがあります。

犯人役は、仲間がいない、作中で人を殺している、ウソをついて人を騙すという現実の倫理に反する行動を強要される、うっかり大事なことを喋ってゲームを壊しかねないというプレッシャーに苛まれる、といった、心理的負担が非常に強い役職です。

それはマダミスの性質上仕方のないことであり、またそんな極限状況を体感できることがマダミスの醍醐味でもあるのですが……「慣れないうちに犯人やらされてみんなから袋叩きされてしまったから、マダミスは二度とやりたくない」という声もちらほら聞きます。これはとても可哀想だし、勿体ないことだと思います。

(ちなみに人狼ゲームでも同様の展開が起こりえますが、人狼の場合は人狼サイドも複数いて仲間との連帯感があるのと、掲示板型のオンライン人狼ゲームなどでは仲間と相談が出来るので、ベテランプレイヤーから教えてもらえるから却って人狼役の方がやりやすい場合もあります。)

 

そこで、特に初心者向けを謳うマーダーミステリーでは、初心者犯人問題に対する何らかの手当をすることが求められます。

ちゃなは現在マダミスを30本余り体験(視聴も併せると50本近く)した中級者ですが、思うにこの解決策は次のように分類されます。

そしてそのいずれも、マダミス独特の構造に伴う問題点を孕んでいます。

 

(1)犯人役のないシナリオにする

犯人役がきついのだから、真相は事故、自殺、もしくはNPCが犯人というシナリオにする。これなら全員初心者でプレイしても、誰もウソをつく必要がありません。

いきなりトリッキーな解決方法ですが、実際初心者向けを謳うマダミスで目にしたことがあり、うまく機能していました。

難点は、マダミスの基本構造を外しているので、果たしてこんなシナリオが初心者向きと言えるのか、ということ。そして、この方法が普及すると、初心者向き=犯人不在、というメタ推理がはびこってしまうことです。

 

(2)ゲームマスターGM)が個別に希望役職をあてがう

GMがゲームを仕切るのであれば、各プレイヤーに経験や希望役職を聞いて、ニーズを把握してキャラをあてがうという方法があります。シナリオレベルではなく、運用での解決を図るのですね。

店舗でもオンラインでも実際に見たことがあります。

注意すべきことは、各プレイヤーの希望を他のプレイヤーに聞かれないようにすることです。犯人を希望しないと言ってる人がいたら、その人が犯人なわけないですよね。

また、このような采配は、プレイヤーの性格傾向からメタ推理が働いてしまうので、仲間内でのプレイには不向きです。かといって初対面だとGMが各プレイヤーのニーズを把握しづらいので痛し痒しです。GMの負担はかなり大きいです。

私はこのシステムを自作品に導入しようと考えたのですが……もう一つ欠点があります。それはキャラを自分で選択する楽しみを奪ってしまうということです。

勝手知ったるGMが適役をあてがってくれれば良いのですが(ちゃなは何度かこのやり方を体験しましたが、いずれもとても素晴らしいキャスティングをいただきました。感謝!)、自分で自分のかたちを選択できるというのもマダミスやRPGの醍醐味の一つですので、ちょっと勿体ないですよね。。GMが決めるならともかく、システムに決められるのってどうなんだろう……と思って、キャラ割当システムはボツになりました。

 

(3)犯人役のハンドアウトに逃げ方を書いておく

基本的な立ち回り、ウソをついた方が良い点などを、制作者が犯人役のハンドアウトにあらかじめコメントしておくという方法です。いわば犯人役だけ初心者モードでプレイできることになります。この指針は必ずしも守る必要はないので、ベテランならその場でもっと大胆なトリックを考えるでしょう。

これも某作品で見たことがあり、感心しました。

しかし制作者目線ではこれもなかなか厳しいです。シナリオの標準的な展開を完璧に想定して、犯人役が理解できるようにヒントを出してあげなければなりません。また、その方法で確実に犯人が逃げ切れてしまってはならないのです。神の視点を持つ制作者がそのあたりのバランスを取るのは、もはや名人芸だと思います。

 

(4)エンディングで救済する

これはかなりのごまかしなのですが、実は結構有効な方法だと思っています。

犯人がゲーム中に探偵役からフルボッコにされても、エンディングでなんとなくみんな仲良くなったり、犯人側の心境に焦点を当てた後日談を用意することで、カタルシスを与えれば、なんとか丸く収まることが多いものです。

いや、本当ですよ。ふざけているわけではありません。

大事なのは疲弊した犯人役のメンタルを癒やしてあげること、そして、みんなで紡いだ物語に意味を持たせることなのですから。

これは制作者の哲学に依拠する話なのですが、私はほとんどの自作品で、主要登場人物全員がそこそこ幸せになれるエンディングを用意しています。

もちろんそうでない作品がダメだというわけではありません。殺人犯を救済するなんて欺瞞だという考えもあるでしょう。私もプレイする分にはメリバ大好きですし、救いのないエンディングもときには作ります。

まあ、作品の出来不出来にかかわらず、エンディングは丁寧に作り込んでおいて悪いことはないと思っています。

 

(5)初心者お断り

身も蓋もないですが、情報量が多く、犯人役に大がかりな仕掛けやクレバーな立ち回りを要求するシナリオは、初心者には不向きです。

探偵役プレイヤーも歯ごたえのあるシナリオを求めてエントリーするのでしょうから、初めから上級者向けを謳うのも一つの解決策ですね。

マダミスはプレイするまで中身がわからないのですから、Not for me問題はなるべく事前に解決するのが吉です。

 

(6)感想戦

最後に、犯人フルボッコで終わった場合の感想戦には、気を遣いましょう。

ゲームマスターは、とにかく犯人役の健闘を称えてあげることです。

逆に犯人勝利で終わったときも、探偵役が戦犯捜しに走らないよう、誰かの失策ではなく犯人がうまかったのだとまとめてあげるのが良いです。

プレイヤーも犯人を褒めましょう。

私自身、人を褒めるのが上手でないので、なんとかいつも心がけるようにしています。

犯人をするたびに同卓者から篤く労ってもらえるのなら、犯人アレルギーも薄れていくかもしれません。

それが結果的に、マーダーミステリーというジャンルの寿命を延ばすことにもつながるはずです。

 

本日はマダミスの初心者犯人救済についてでした。ではまた。