どうも、ちゃなです。
どうしてキンドルなのか。色々と理由はあります。
(1)アマゾンのキンドルデスクトップパブリシング(KDP)で簡便に自費出版できること
これが非常に大きいですねー。KDPは、始めてみるとめちゃめちゃ簡単です。
黎明期は免税手続きなどが結構面倒くさかったのですが、現在は日本円で売る分には大した苦労は要りません。
(2)アマゾンの市場規模が大きいこと
これも実に重要です。電子書籍を売る手段は他にも色々あるのですが、アマゾンの知名度とユーザー数は圧倒的です。この世界、小さなプラットフォームはいつつぶれるかわかりませんからね。大手出版社ならいざ知らず、私のような個人で出版するなら、プラットフォームは大手一つに絞るのが得策です。
(3)私自身がキンドルに慣れ親しんでいたこと
キンドルは実は、日本に正式上陸する前から、Amazon.com経由で購入することができたんです。当時はもちろん英語の本しか買えませんでしたし、米国外から購入すると2ドル余計にかかるのですが、それでも紙の洋書を日本で買うよりはずっと安かったので、学術書などを買うのにはちょっと便利でした。当時からネット回線は使い放題で、通信費は無料だったんですよ。電子ペーパーなので、ウェブブラウジングはほとんど不可能でしたけど。
(4)Kindle Unlimitedに対応していること
アマゾンは、Kindle Unlimitedという読み放題サービスを始めました。日本ではまだまだ「お試し版」的な雰囲気が強いですが、英米ではもう100万冊以上が対象になっています。
この読み放題サービス、もしあなたが会員だったらどんな本を読みますか?
私は「買いたい本が対象なら即クリック」「ジャケ買いはしないけど興味のある本をとりあえずクリック」の2パターンなんですよねー。つまり、ベストセラーはもちろんですが、ニッチで普通はお金出して買おうとしない本でも、読み放題サービスなら手に取ってもらえる可能性が高くなるんです。しかもアマゾンはシリーズものを次々に進めてくれます。有料だとシリーズ全部大人買いとはいかないでしょうが、無料ならまとめてダウンロードしてもらえる確率が高い?
なので、Kindle Unlimitedは、むしろゲームブックのようなニッチな作品と非常に相性が良いと私は思っています。
(5)ファイル内リンクを貼れること
これはキンドルに限ったことではありませんが、電子書籍の強みはやっぱり検索とリンクですよね。ゲームブックの中でも私が執筆しているようなクラシカルなスタイルの場合、ファイル内リンクは最大限の強みを発揮します。片手でも読み進められますからね。
そんなわけで、アマゾンのキンドルはゲームブックを個人で出版するに当たっては最強のプラットフォームだと思っています。
逆に、キンドルの弱点としては次のようなものがあります。
(1)紙の書籍に比べると販売網が狭い
まあ、これは仕方のないところですね。米アマゾンでは紙の書籍よりキンドルの方が売り上げで上回ったとのことですが、日本ではまだまだ普及に時間がかかるでしょう。大手出版社から本を出せる力のある作家さんならば、やはりまず紙で出版したうえで、売り上げを見て電子書籍版も検討するというのが基本なのだろうと思います。
これは作風によるのですが、紙でないとうまく機能しないゲームブックも多々あります。
まず、サイコロや筆記具を必要とする作品だと、電子書籍の良さを十分に生かせません。昔ながらの冒険記録紙とサイコロ2つを用意するか、あるいは逆に専用アプリで提供する方が、プレイアビリティが高いです。
また、パラグラフジャンプも電子書籍とはあまり相性が良くありません。特にキンドル専用端末で読む場合、電子ペーパーはページ更新に時間がかかるので、次に読むパラグラフを探すのに、紙でぱらぱらめくるよりも時間がかかります。これは以前書いた通りです。
さらに、紙である特性を活かしたゲームブックもたくさんあります。脱出ゲームブックなんかが代表的ですね。映像化ならぬ電書化不可能な作品というものです。
人狼村からの脱出 狼を見つけないと、殺される (脱出ゲームブック)
- 作者: SCRAP
- 出版社/メーカー: リットーミュージック
- 発売日: 2012/05/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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(3)アマゾンの手数料をどう見るか
KDPの場合、著者の手取りは売り上げの35%または70%です。70%にするためには、値段などいくつかの要件をクリアする必要があります。
この手取りを印税と考えると、紙の本の場合はせいぜい10%ですから、KDPは非常にお得といえます。しかし、電子書籍に限って言えば、他のプラットフォームの方が手数料が安いところもあります。
それ以外にも、振込手数料や為替差益、米ドルで売る場合は税金など、いくつか検討すべき問題があります。
以上をまとめると、キンドルはゲームブックを作るうえでも出版するうえでも、様々なメリットがあると思います。
KDPの使い方については他にたくさんの方が書いていますし、そのための教科書も多数出ています。ただし、規約が割としょっちゅう変わるので、情報が古くなっていないかどうかに気をつけて、調べてみることが必要です。
キンドルでゲームブックを作るためのやり方については、いずれ当サイトでも解説していこうと思います。もっとも、私もまだまだ試行錯誤の最中ですが。。。