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「魔術師の宝冠」チャート解析 その1

どうも、ちゃなです。

「魔法の王国」三部作、第一作の「魔力の杖」は、主人公カー・デリングが父の後を継いで魔術を学び、邪悪な叔父や意地悪な上級生と対決する話でした。

今回は第二作目の「魔術師の宝冠」を紹介します。

 

本作は前巻から5年後の設定になっています。主人公は神秘科学アカデミーで学び、様々な魔術を身につけたいっぱしの魔法使いになっています。前作で父から受け継いだ「ブーコッドの錫杖」も大切に所持しています。

 

そこに、かつての上級生アルノが、セイブンの聖騎士団を支配したという話が舞い込んできます。悪魔パズズを召喚して世界を席巻しようとするアルノの野望を打ち砕くために、主人公は再び立ち上がります。

 

(ちなみに前作のレビューでは、叔父ベルドンから魔法を教わるのが本筋かと書きましたが、本作においてはハーフエルフのゼインから魔法を教わったことになっています。宿敵アルノと出会うのは叔父ベルドンが死んでからのことのようです。)

 

「魔術師の宝冠」では、前作と同様、主人公には生命点と三種類の技術点(判断力、機敏度、沈着度)が与えられます。相変わらず、生命点が減る機会はほぼありませんが、技術点での判定は重要です。「真の道」を通れば、判定の機会は数回しかありませんが、判定に失敗すると即死する展開も多いので、気が抜けません。

 

また主人公は今回ははじめから多くの魔法を覚えています。AD&Dのルールに則り、一度使った魔法は忘れてしまい、まとまった休息を取るまでは復活しません。作中で魔法を覚え直す機会はないので、使用するか温存するかの選択を常に迫られることになります。

とはいえやっぱり総パラグラフ220では、使用機会も限られてきます。ごく特定のルートを通らない限り、魔法が枯渇して困るような展開はありません。

さらに主人公は、解読中である父の大魔法「魔力付加」「異界接触」「他者変身」を所持しているのですが、これがまたくせ者です。

 

では、フローチャートを見てみましょう。

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黄色のパラグラフはデッドエンドです。結構多いですね。

青のパラグラフは魔法を使う場面です。

紫のパラグラフは必須フラグになっており、どちらかを経由しないとエンディングには到達できません。

緑のパラグラフ220が唯一のグッドエンドとなっています。

 

割と綺麗な単方向に見えますね。

ところが、本作では「どこ経由できたか」によって強制分岐する箇所がいくつかあり、プレイアビリティをちょっと下げています。

 

次回に続きます。