ちゃなのゲームブック

ゲームブック作家「ちゃな」のブログです。Amazonキンドルで「デレクの選んだ魔法」等販売中!

ゲームブックの制作実況(24)

こんにちわ、ちゃなです。

長らく続いた本企画もいよいよ完結ですね。。

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さて、リンクつき原稿ができあがったので、一旦HTMLから直接Kindle Previewerに落としてMobiファイルに変換してみます。

それをメールで私のキンドルに送って、実機で体裁を確認します。

同時に、HTMLファイルを一太郎で読み込んで、縦書きに変換し、口絵イラストを挿入します。

一太郎からは直接Mobiに変換できます。

ちなみに表紙はこの段階では接続せず、キンドル・デスクトップ・パブリッシング(KDP)に登録するときに直接アップロードします。

早速、改ページが反映されてないというバグが発覚。

 

……あ、やられた。

段落頭の字下げがまるっと反映されてない。。。。。

全部やり直しですね。。

なんか、段落頭のカギ括弧の前に謎のスペースが10個分くらい隠れて、そこにカーソルを持ってくと全然動かなくなる。。

HTML周りの謎仕様でしょうか。こういうのを放置しておくと、いざ電子書籍にしたときに、ぐちゃぐちゃなレイアウトになって蘇ってきたりするんですよねー。

全部直します。

 

……1時間ほどかけてすべて修正しました。

ついでにKindle Previewerを見てみると、なんかバグでMobiファイルが生成されてませんでした。

こういうこと、よくあるので今更驚きませんが、代替できない工程がバグってしまうと致命的なので怖いですよねー。

キンドル出版をお考えの方には、一太郎の入手をお勧めします。

一太郎もよくバグりますけどね。。。)

 

一太郎から直接Mobiファイルを出力して、メールで自分のキンドルに転送します。

これで初めて、プレイアブルバージョンが完成しました!

一切バグがなければ、このままアップロードして売り出すことも可能です。

しかし、そんなわけもなく。。

あとは実機で読んで気になるところにチェックをつけて一太郎で修正してMobi変換して、を繰り返します。

そのせいでキンドルのライブラリがドキュメントだらけになります。

ただ今回は100パラなのでせいぜい2~3回でしょうか。

 

チェック項目としては、

・誤字脱字、誤植等のタイポグラフィカルエラー:これはいくらでも見つかります。100パラだと100カ所くらいは直さないと校正した気になりません。

・表記揺れ:これは本当に頭が痛い。プロの編集者のようにはいかないので、どこかで妥協しますが、後で見つかるとやっぱり嫌な気持ちになります。

・段落頭を中心とする体裁上の問題:これも前述のようにHTMLから変換した段階で大量に出てきます。

ここまでが文法上の間違い。

次に、

・不自然な描写:色んなレベルがあります。「日本語としておかしい」「この人はそんなこと言わない」「ここの描写はもっと薄くした方が良い」など。校正というよりは推敲です。

・表現の統一:瞳の色が赤から黒になってたり、最初と最後で口調が違ったり、色んな問題があります。登場人物の多い作品だと、はじめに口調や一人称等の一覧表を作っておいた方がいいでしょう。

これらはいわば文学作品としての質を高める作業ですね。

さらにゲームブックならではの問題として、

・パラグラフリンクミス:ツールで自動でリンクを貼ってくれてればほぼチェック不要なんですが、今作は手動で貼ったので、すべてのリンクをタップしてちゃんとつながってるかどうか確認します。さらに、飛び先の描写が整合しているかも読んで確かめます。あと、パラグラフジャンプが機能しているかどうかも目視で確認が必要です。

フローチャートのミス:これは実機よりフローチャートを見て確認するのが主ですが、進めない分岐やら、死んだ人が出てきたりとか、様々なバグがあり得ます。一番困難なデバッグ作業です。

・バランス調整:これはバグというより仕様ですが、難易度が高すぎるとか、金貨が足りなくなりがちとか、その辺を自分のセンスで調整していきます。とはいっても、ちゃなの作品ではパラメータがほとんど出てこないので、この作業は比較的楽です。難易度設定についての話はまた日を改めて。

・パラグラフの整理:先述しましたが、5→6みたいなリンクは美しくないので直します。本来はゲームブック作成ツールの段階で直しておきたいところです。

あたりが出てきます。

厄介なのは、この段階でチャート自体を修正したくなった場合。

一太郎ファイルを修正するのは良いのですが、修正後のチャートを直接参照できないので、別のバグが出てる可能性を丁寧に検証しないといけないんですよね。そういうことが起きるので、私は極力ゲームブック作成ツールだけで最後まで制作したいと考えています。

 

 

コンピュータゲームのデバッグに終わりはないとよく言われます。

ゲームブックの場合、文章表現の推敲に終わりはありませんが、ゲーム自体のデバッグについては、一応「完成」というものがあると思っています。コンピュータゲームに比べると容量が断然小さいので、目視ですべての可能性を確認することはギリギリ可能なんですよね。もっとも、パラメータや乱数のある作品だともう無理でしょうけど。。

ちゃなとしては、当然ながらバグや誤植の一切ない作品を上梓したいと思っています。

しかし、まあやっぱり見落としは出てしまうものです。

なので、最低線として、自分の想定したエンディングまでの道筋が確実に機能していることを確認します。しかし、あとどこまで検証を繰り返すか、最後は気分次第です。個人出版なので締切はありませんが、どこかで見切らなければいつまでも完成しませんからね。

 

というわけで、まずはキンドルでひたすら読み込む、読み込む、読み込む!

明日にはKDPに登録したいと思います!