ちゃなのゲームブック

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「ネイキッドウォリアー」チャート解析

どうも、ちゃなです。

 

ゲームブックフローチャート解析シリーズ、第9回は遂に私の処女作「ネイキッドウォリアー」です。

すべての所持品を失った状態で街全体を駆け巡るレースに挑む、名も無き女戦士の物語です。

100パラグラフ単方向作品で、フラグ管理は武器・鎧・靴の3種類のアイテム管理だけと、とてもシンプルな構造になっています。

ネイキッドウォリアー (ちゃなのゲームブック)

ネイキッドウォリアー (ちゃなのゲームブック)

 

 

では早速チャートを見ていきましょう。

実は本作は「The Gamebook Authoring Tool」を用いずに制作しました。MS Wordベタ打ちで、パラグラフシャッフルも全部マニュアルでやったんですよねー。なのでこのチャートは、本エントリのために新たに作成したものです。

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100パラグラフで、パラグラフ内分岐などのギミックも入れていないため、非常に単純な構造をしています。

ぱっと目立つのはデッドエンドの多さですね。100パラグラフ中、実に21パラグラフがバッドエンドになっています。

緑のパラグラフはグッドエンドです。5つあり、うちパラグラフ100が一応真のエンディングという扱いになっています。

 

序盤は、スタート地点の闘技場を出て武具を選ぶところまでです。

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幾つかの装備のセットを選択するチャンスがありますが、まったく選ばないで先に進むことも可能です。武器防具を一切取らなくてもクリアできるのがネイキッドシリーズの特徴にもなっています。

 

ジョーや聖者ジャナリスと下手にやり合ったりしなければ、この段階でバッドエンドに至ることはありませんし、詰むこともありません。

一方で、真のエンディングに向かうためには、「血塗られたダガー」が必要になります。したがって最初の選択肢でガンツォとやり合ったりしたら、もう取り返しはつきません。

 

(追記:ちなみにここにはバグというか裏技が一つあり、ジャナリスにダガーを譲って他の箱を選ぶと、最初の箱から手に入れた革の靴を装備したままもう一つ別の箱を選ぶことができます。箱は一つだけというルールですが、見逃されたようですね。。。)

 

闘技場を出た主人公はチェックポイントに向かって走ることになります。

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パラグラフ39で、大通りか裏道か、あるいは北門を抜けるか、大きな分かれ道があります。所持品により、どの道が有利かが変わってきます。

 

北門を抜けたのでなければ、中盤にガンツォを倒すチャンスがあります。しかし、それなりの装備がなければ返り討ちに遭いますので先を急いだほうが無難です。とは言っても、罠は警戒しなければなりません。

 

パラグラフ91は、必ず通ることになる庭園のチェックポイントです。ここで帰り道を選ばなければなりません。

ガンツォを倒してスウィフトブーツを入手していれば、細い道でもゴールできますが、ブーツがなければ時間切れになります。

住宅街を抜けると、ジョーとのデッドヒートになります。サンダルや具足では話になりません。靴か裸足の場合、ジョーを倒すか逃げ切るかの判断を迫られます。分岐は少々複雑ですが、基本的には、装備が強ければ戦いを、裸なら走り続ける方を選ぶのが正解です。

川下りを選んだ場合、武器か鎧を持っていればゴールまで一直線です。

 

ゴール後にエンディングの選択になります。

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 パラグラフ76で勝ち名乗りを受けた後は、事実上エピローグです。血塗られたダガーを持っていれば真エンド、ドレスを着ていればハーレムエンド、魔法の槍かミスリルの鎖帷子を持っていれば近衛兵エンドへの道が開けます。ガンツォを倒していれば復讐エンドに進めます。いずれもなければ素直にノーマルエンドに進みましょう。

 

パラグラフ100で種明かしがありますが、真エンドに進むためには作中で一度も鎧を装備してはいけません。

 

また、5つのエンディングの中で体感的に最も難しいのは多分ハーレムエンドです。ドレスを入手すること自体は簡単ですが、その後が大変です。

まず、裏路地に出てくる謎の男(「ネイキッドチェイサー」で、彼の名がレイド・ブレイガスであることが明かされます)から魔法の槍と革の靴をもらう必要があります。そして帰り道は住宅街を選び、ジョーに一旦追い抜かれてから槍を投げつけて倒せば、ドレスを着たまま優勝することができます。

 

本作はとにかくフラグ管理をシンプルにしているので、その分リトライ性を増すために、マルチエンディングを採用しています。選択肢の一つ一つに意味があり、見た目よりもガッチリした構造になっています。