ちゃなのゲームブック

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チャート解析「エンチャンター」 その2

どうも、ちゃなです。

チャート解析第11回「エンチャンター」の続きです。

 

本作では実に19種類の魔法が登場します。しかし有効な使い道は当然限られています。

ここで、前回お示ししたフローチャートから、無効もしくは即死につながる魔法の選択肢を外したものをお見せしましょう。

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ENC2

少しすっきりしましたね。

 

さて、クリアに必要な魔法は、全部で11種類。最短ルートでは13種類入手できますが、RFOTZとFILFREには有効な使い道がありません。

まず冒頭で、リードマジックといった基本呪文に加えて、REZORV(解錠)、NITFOL(会話)、RFOTZ(光明)の3つの魔法を教わります。

 

城とその周囲の森を一通り探索することで、攻略に必要な魔法を順に入手していきます。

モルタル塗りの小部屋のブロックを動かすと、秘密の小部屋に出ます。そこでEXEX(浮揚)の魔法が手に入ります。

プリシア城の姫の幽霊に話しかけると、VAXUM(友情)の魔法が手に入ります。

城の広間で本棚を調べるとGONDAR(消火)の魔法が見つかります。

森の中では檜のうろの中からKREBF(復元)の魔法が手に入ります。

 

続いて、魔法を適切な局面で使うことにより、さらに強力な魔法をゲットできます。

塔の頂上の小部屋には宝箱があります。REXROVで鍵を開け、中にあった紙束をKREBFで修復すると、ZIFMIA(精霊)の魔法が入手できます。

森の中、ヒキガエルの声が聞こえる場所で精霊を呼び出すZIFMIAを唱え、現れたヒキガエルに向かってNITFOLで会話すると、CLEESH(変身)の魔法をもらえます。

ハンマーの部屋を見た後で、浜辺の海亀にVAXUMの魔法をかけて協力を依頼し、さらにEXEXの術で亀をハンマーの部屋に連れて行くと、亀はKULCAD(解呪)の魔法を取ってきてくれます。

ちなみにパラグラフ138でHHにチェックをつけるよう指示されますが、これは多分誤りです。ここでチェックした場合、この機会を逃すと亀が出現しなくなり、詰んでしまいます。KULCADを入手した時点であらためてHHチェックの指示があります。

鋼鉄の扉をREZROVで開き、さらに先の扉に巣くう毒蛇をKULCADで消し去ります。先の小部屋にFILFRE(火炎)とTCATNOC(機能)の魔法があります。

城の魔法陣にTCATNOCの魔法をかけると魔法陣が回転を始めます。ここで謎解きがあるのですが、残念ながらちゃなには解けませんでした。。。正解すると最後の鍵となる魔法GUNCHO(送還)が手に入ります。

 

螺旋階段でKULCADを唱えて幻影を消すと、いよいよラスボス、クリルとご対面。

クリルの召喚したドラゴンにはGONDARを、トロールにはCLEESHで対処し、最後にクリル本体にGUNCHOを唱えれば、ゲームクリアです。

 

注意すべきなのは、道中で小人に捕まって闇の男のところに連れて行かれると死亡フラグが立ってしまうこと。OZMOO(蘇生)の魔法で難を逃れることができるのですが、なぜか後々クリルと対峙する際に有効な魔法が使えず殺されてしまいます。せっかく復活して敵の度肝を抜くことができたのに、残念ですね。しかもここだけはフラグ管理ではなく、「闇の男に会っていれば」という記憶頼りの分岐だったりします。。。

 

複雑な魔法システムだけに、本作にはいくつかのバグがあります。 単なる誤植のほか、使えるはずのない魔法が偶然にも使えてしまう(当然飛び先のパラグラフは意味が通じない)ところが数カ所見つかりました。

それでもなお、この時代にここまで自由度の高いシステムを構築したことは本当にすごいことです。

 

クリア行程だけを書いてしまうといささか味気ないものがありますが、城内には不思議なキャラクターがいっぱい出てきます。見るたびに情景の変わる絵とか、主人公の変わり果てた姿とか。。ヒロインのアイリーンも魅力たっぷり。

どこで使っても効果のない謎の魔法も存在します。一本道にクリアを目指さず、様々な寄り道をしながら不思議体験を重ねるのが、本作の正しい楽しみ方かもしれません。

 

今回は魔法ゲームブックの隠れた名作「エンチャンター」のチャート解析でした。

ではまた!