ちゃなです。
ゲームブック制作の実況中継も早7日目。今日はチャートを完成させましょう。
いくつかの分岐によって、単独行動するか仲間と一緒に進んでいくかの展開が変わってきます。
団体行動ルートの場合、本作では誰が相方かが確定しないルートが多いのが特徴です。何しろ主人公が8人いますから、いちいち分岐していたらパラグラフ数が8倍になってしまいますから。
なので、なんとなく複数で動いている感じの描写にしなければなりません。叙述トリックみたいなものですね。
例外は、マリーが主人公の場合。
ノリで女性二人のルートを作ったので、この展開は相方がイシスと確定しています。
せっかくなのでマリー専用のストーリーをつけましょう。
ただ、マリーは裏切り者という設定。特に、カルバドールの標的になっています。
イシスは忠実な信徒ですから、この二人のゴールが共通のはずがないんですよね。
そこでちょっと困っています。
当初、マリーのエンディングは最深部で魔神を破壊することにしようとしていたのですが、それだとンドルフと展開が被るので、どうしようかなーと。
マリーは政府筋のスパイで、教団の動向を確認することを目的としていることにしてみます。
そこでイシスの誠実さに打たれ、協力することにした、と。
これならイシスと二人で最深部に向かうことでエンディングを迎えることができます。
一方、イシスが主人公の場合、マリーは単独でゴールを目指すので、仲間にはなりません。
……と思ったら、マリー+イシスのルートをその他大勢の複数同行ルートと合併させてました。おいおい。
まあ、チャートを書き直せば良いのですけど、せっかくなので。。。
ただ最深部を目指す場合は、複数同行ルートに合併してしまうことにします。その場合、最深部でンドルフに全員殺されます。
途中で宝部屋を訪れると、イシスは宝に見向きもせず、何か殊勝なことをいうようにしましょう。それでマリーがイシスを信じるという展開にします。ベタですが。これで宝部屋はターナーのエンディングのほかにも使い道ができたことになります。
だいたい出来てきました。
……というところで、実は、まともに魔神を復活させる人が全然いないことが発覚。いやまあある程度わかってはいたことなのだけど。特にノアを生け贄にしてダークサイド復活させようとしてた人が一人もいないのはちょっと都合が悪いですね。
ここで主人公を再確認。
・ノア 戦闘NG 罠NG 魔法NG
クリア条件 途中で後戻りして迷宮から脱出する。
特殊イベント 最後まで誰かと一緒に行くと生け贄にされる。
・カルバドール 戦闘OK 罠NG 魔法NG
クリア条件 マリーを殺す。
特殊イベント ほかの人物を殺すとバッドエンド?
・無明のターナー 戦闘NG 罠OK 魔法NG
クリア条件 宝部屋に到達する。
特殊イベント 未
・ソロン 戦闘NG 罠NG 魔法OK
クリア条件 コントロールセンターに到達する。
特殊イベント 未
・マリー 戦闘OK 罠OK 魔法NG
クリア条件 魔神復活を阻止→イシスとともに魔神を復活
特殊イベント イシスと同行すると友情が芽生える
・イシス 戦闘NG 罠OK 魔法OK
クリア条件 魔神を復活させる
特殊イベント 未
・ホッブス 戦闘OK 罠NG 魔法OK
クリア条件 ガーディアンとアレスを戦わせる。
特殊イベント 未
・ンドルフ 戦闘OK 罠OK 魔法OK
クリア条件 全員を殺す
特殊イベント 一周目では選べない。
ふーむ。
現在、最深部には単独で来る場合と複数で来る場合の2パターンあるのですが、マリーのみイシスと二人で来るパターンがあります。イシスが主人公の場合はマリーに拒否られます。
単独で来る場合、ンドルフのみエンディングに到達できます。複数で来た場合、誰でもゲームオーバーになります。
……あ、いや、イシスのエンディングがありますね。
他方で、ノアを生け贄にしてアブラクサスのダークサイドを復活させる展開も考えたくなるのですが、最初からその目的を読者に開示してしまうと、読者としては主人公がノアと常に同行するよう気を配ることになりますよね。しかし本作では誰が同行者かをぼかした記述にしているので、読者は非常に違和感を憶えることになります。これはまたよろしくない。
ということで、ノアを生け贄にするパターンは、読者には担わせないことにします。
役回り的にはソロンかホッブスでしょう。彼らは教祖からそのように密命を受けており、しかしエゴとしては魔法陣やガーディアンの方に興味を持っていてそちらを個人目標として優先していることにします。
うーん、でも、それだとイシスが普通に復活させるのをみんな手をこまねいてみてることになってしまいますね。それはよろしくない。マルチプロットではあっても、本作では8人の行動規範はどのプロットも共通にすることを基本としていますから。
やっぱり複数で来た場合、イシスは取り押さえられてノアを生け贄にされてしまう展開にしましょう。
ということはイシスは単独で最深部に向かう必要があります。ンドルフルートと一緒ですね。
とこんな感じで、本作では、決まったストーリーに沿って分岐を作っていくのではなく、システム(主人公が8人)とフローチャート(色んな展開のそれぞれで主人公限定イベントが起きる)に合わせてストーリーをこじつけるという作成手法を採っています。
このやり方は、過去作だと「魔皇を継ぐ者」に近いです。
ようやく最終局面まで固まってきましたので、チャートを埋めてしまいましょう。
ンドルフは隠しキャラということもあり、本作唯一のパラグラフジャンプを使います。ンドルフルートに来た際にジャンプの方法を開示して、最深部でジャンプさせます。
しかし、ここで気をつけるのは、ンドルフでプレイしていてもパラグラフジャンプしない読者がいる可能性があることです。その場合はうまく共用バッドエンドに導かなければなりません。最深部で死ぬのはンドルフに殺される展開なので、ンドルフは誰に殺されたんだってことになります。何か考えないと。。。
この時点でパラグラフもあと6つほど余っています。いくつか専用ルートを作れそうですね。
ターナーは宝部屋に単独で入れればグッドエンドです。しかし仲間が一緒だと独り占めして逃げるわけにもいかないので探索続行になります。
複数で侵入した場合、主人公が罠を解除できるクラスでない場合、仲間の誰も解錠できずバッドエンドになります。最初の分岐のあとで罠を外したメンバーは次の分かれ道で別ルートを歩んだという設定です。誰が誰と一緒でも矛盾しない描写にする必要があるので、テキスト執筆の差異は結構気を使いますね。。。
最深部でのイベントは一番悩むところです。ソロンやターナーにしたって一応は信者なのだから、個人目標が果たせなくても最深部に到達したなら魔神復活を目指すでしょう。汎用ノーマルエンドを用意しておくべきかしら。。
……あ、そうか。マリーももともと儀式を邪魔しに来たのだから、複数で到達した場合はマリーに邪魔させればいいんですよね。
このバッドエンドでは儀式を始めようとしたと書いてはいけません。ンドルフが主人公の可能性があるためです。
道中マリーを殺してしまう展開もあるのですが、その場合は単独ルートなので複数ルートに合流することはありません。いける!
マリーが主人公の場合は、儀式の邪魔をしようとして殺されてしまうバッドエンドにします。この戦い、いずれにせよ主人公の負けということで……最深部複数で指セーブして他のフラグをサーチした読者は驚愕することになります。
……うーん、ダメだ。自宅の廊下を10往復くらい歩きましたが、良いアイデアが思いつきませんでした。ンドルフのパラグラフジャンプは強制にしましょう。
結局、単独ルートで魔神復活させられるのはイシスのみ。他の主人公の場合、ノアを連れて行かなければならなかったのに単独で来てしまうこと自体お間抜けな話ですが、これは読者のせいではないので、そのことに気づかれる前に主人公を殺してしまいましょう。さらにここではじめてンドルフの存在を示し、リプレイ時にンドルフルートを解禁することにします。
こうして、とりあえずチャートが完成しました!
なんと、バッドエンドが20パラグラフもあります!グッドエンドも8つありますけどね。
まあ、9回はプレイしていただくことを想定しているので、バランス的にはこんなものかなあ。
明日からはいよいよ清書に入るのですが、その前に主人公の容姿や人間関係などをもう少し詰めておく必要がありますね。
特に、ンドルフはなぜ皆殺しにしようとしていたのか。イシスだけは最深部単独で魔神復活を果たしていますから、実はンドルフいい人なのかも。。ンドルフエンドでは多分イシスも殺してますけどね。。。
ホッブスの、悪魔の実力を確かめるという動機も弱いですね。かつて迷宮に囚われた兄弟の魂を救いに行くみたいな話にしようかな。。
とまあこんな感じで、作品によりけりではありますが、私の場合フローチャートが完成した段階でなおストーリーが定まってないということがそこそこあります。他のメディアだったらそんなことまずあり得ないですよね。これもまたゲームブック制作の醍醐味かもしれないなあ、と。