どうも、ちゃなです。
長らくお待たせしました。ちゃなのゲームブック完全新作「魔皇を継ぐ者」がキンドルで販売開始されました!
本作は、200パラグラフ単方向のゲームブック作品です。読者は魔皇の甥である若き実力者アッシュ・デル・メルテンダースとなって激動の時代を生き抜くことになります。
メインテーマは宮廷の権謀術数
本作では冒頭で魔皇、つまり舞台となる帝国の皇帝が死んでしまいます。
折しも皇太子は遠征の最中。絶対的な権力者であり専制君主であった魔皇が隠れたことにより、帝国には暗雲が立ち込めます。
本作は200パラグラフの短編であるにも関わらず10名以上の登場人物があなたの前に現れます。彼らはいずれも一癖も二癖もあり、なかなか本音を見せません。善人か悪人か、誰しも単純に割り切れないのが本作の特徴でもあります。
一体誰が混乱の帝国を纏めあげるのか、主人公は誰に味方して誰を敵に回すのか。あなたの選択に帝国の命運がかかっています。
マルチプロット、マルチエンディング
本作のストーリーラインは一つではありません。エンディングは全部で9種類。もちろん他にバッドエンドが無数に用意されています。
今回私は「真のエンディング」を想定していません。エンディングの中には特定の厳しい条件を満たさねばたどり着けないものが4つほどあり、それらはいずれもあっと驚く結末を迎えるものばかりです。しかし、その中のいずれが最も満足度の高いエンドなのか、それは読者によって異なってくるでしょう。
さらに、本作は、主人公の選択によって展開が変わるのみならず、プロットそのものも変化します。あの時あの人がした行動が実はこんな意味を持っていた……とわかる展開もあれば、別ルートでは全く別の真相が暴露されることも……。展開によっては「魔皇の死」の意味するところさえも変わってくるでしょう。ぜひ全てのストーリー展開を味わってみてください。
新システム「フラグパネル」
このような複雑なストーリー展開を200パラグラフに詰め込むためには、フラグ管理が欠かせません。しかしキンドル読者の皆さんならお分かりのように、キンドルのゲームブックではメモが取りづらい!この問題を解消するため、私は前作「デレクの選んだ魔法」でフラグワードシステムを導入しました。
今作では、フラグワードならぬフラグパネルを用いてフラグ管理を行っていただきます。
フラグパネルとは、フラグアイコンが縦横に並んだもの。
例えばこんな感じです。
A B C
D E F
G H I
読者は、本文中に指示があるたびに、フラグパネルの特定のアルファベットに印をつけていきます。
キンドルのハイライト機能を使っていただくのが簡便でしょう。もちろん、紙と鉛筆で管理していただいても構いません。
フラグパネルの状況によって、後半でルートが分岐していきます。
これだけでは林友彦先生のキーナンバーや松友健先生のフラグマトリクスと似たようなものですが……私のフラグパネルにはもう一つ、ギミックを組み込んでいます。
それは是非読んでみて解き明かしてください。
なお、このフラグパネルは、読者が管理するものであると同時に、作中の主人公が大事に保管していく秘宝でもあります。
まさに物語の鍵を握るアイテムなのです。
主人公は帝国の実力者で、剣の腕も折り紙付きです。よほど無謀な行動を取らない限り、命を落とすことはないでしょう。と同時に、よほど無謀な行動も取れるよう、選択肢の自由度は高めにしています。
また、本作では主人公のセリフを選ぶ選択肢が随所に出てきます。
これまで、私の作品では主人公の言葉や口調は読者に委ねてきました。しかし本作では、宮廷貴族同士の腹の探り合いが多々発生するため、臨場感を重視して主人公のセリフを書き下ろしました。年齢に似合わぬ唯我独尊ぶりを堪能いただければ幸いです。
本作は、私にとっては実験的作品でもあり、ネイキッドシリーズの世界観を膨らませる一つのキーパーツでもあります。
ただ、旧作を読んでいない方でも楽しめるよう、過去作品との関連性は極力排除しました。
どうぞ、お楽しみください。